• June
    27
    2017

    見えなくなる仕事

    「偉大な大工は、見えなくても
      キャビネットの後ろに
    ちゃちな木材を使ったりしない。 」

     

    これはスティーブ・ジョブズ氏がコンピュータの基盤の美しさにまでこだわった理由について語った言葉です。

     

    「偉大な」=「一流」という解釈でいきます。

     

    化粧材を隙間なくつけることも、

    適した材料を適した場所に取り付けることも、

    与えられた期限内に終わらせることもすべて一流の仕事です。

     

    これらはやはり経験が伴ってくるのも事実です。

    そんな中で見えないところに気を抜かないことは経験どうこうよりも

    いかに手を抜かずにやるかです。

     

    このT様邸が何十年か経って手入れされるときに一流の大工さんがやったのだと思われるような仕事を心がけています。

     

    挨拶遅れました。どうも渡邊です。

     

    てことで現場は外部を進めています。

    断熱材(屋根にも使用したフォレストボード)を張り、

    水切り板金を回します。

    墨つけて、

     

    切って、

    折って、

    コチコチっと固定していきます。

     

    ちなみにこれ初めてやりました。通常は外壁屋さんに任せているのでやることがありません。

    小川さんの若いころは当たり前のように大工が行っていたそうです。

     

    これが大苦戦。

     

    なぜか。

     

    初めてやるからというわけではなく

     

    私、サウスポー大工。

    板金ばさみがうまく使いこなせません。

    形でいうと剪定ばさみとかの類です。

     

    左手でやると刃と刃の間にはさまりぐにゃん。全然切れず。

    右手でやると違和感あり、手がプルプル。イライラ。

     

    んあああ!てカンジで進めていきました。

    思わぬ天敵と遭遇しました。

    それでもきちんと取り付けました。妥協しません。

     

    そのあとは防水紙を張り通気胴縁を取り付けていきます。

     

    この通気胴縁ただ固定するだけではありません。

    この上に外部の化粧材を取り付けるので通りをシビアに合わせています。

    古材の柱ににフカフカの断熱材。

    そのうえに胴縁をビスで固定するので、固定するだけだと通りがめちゃくちゃです。

    そのため随所にパッキン(薄板)を挟み込み揃えます。

    このパッキンもタッキー特製木のパッキンです。

     

    この作業なっかなかの時間がかかり、これぐらいでいいや。という気持ちが芽生えたときには

     

    脳内ジョブズ氏登場。

    「コレデイイの?大工さん?偉大な大工って・・・・」とケツを叩いてくれます。

    無事納得の仕事ができました。

     

    これらすべて外壁内なので一切見えてきませんが仕上がりの良し悪しを決める大事な下地作業です。

     

    さらにその上に、嵐等々まだまだ下地作業が続きます。

     

    一方、ラスボス級の窓を終えたふたりは根太に取り掛かっています。

     

    広い現場なのにここでも近くでやっています。

    ちゃんと理由があります。

    寂しいからではありません。この話は後日誰かが。

     

     

    この方もサウスポー大工です。

    水切りをやっていたならきっとんあああ!となっていたでしょう。

     

     

    あ。あと。

    辻堂で行われたローカルマーケットは無事に開催でき、

    午前中にすべての予約が埋まる大盛況でした。

     

     

    木工を楽しんでもらえる機会をもっと増やせられたと思います。

     

    ではまた。

     

     

     

     

     

     

     

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    Profile | 大工


    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

 
大工の日々―平成建設職人集団
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