2015.01.21
地下の見えない水
氷点下にこそならないものの、寒い日々が続いています。。。
■雨の降り始めたセンター南駅前広場
現場では、そんな寒さにもかかわらず、テキパキとした身振りで
鉄筋と形枠を組み上げる職人さんたちの姿が見られます。
あまりに当然のような頑張りぶりに、設計者として
いつも背筋が伸びる思いがします。
(現場で活躍する職人さん達に感謝!です)
こんにちは♪ 花川です。
ここ数回、鉄筋についての話が重なりましたので、
今回は少し趣向を変え、「地下水」のことについて
書いてみます。
さて、、、
少々大雑把な話になりますが、
建物にとって、水は基本的に厄介なもの。
付き合い方を間違えると、雨漏りや躯体の劣化等の
原因になる手強い相手なんです。
そう、
前回のblogで紹介している写真で
水が写っているのを、大丈夫?と疑問に思われた方、
その勘、あながち間違っているとは言えません。
というのも、
地上の「目に見える水」については、どこから
どこに向かっているのかが、一目瞭然ですが、
地下の「見えない水」について、その動きが詳しく
分かるようになったのは、実は、比較的最近のこと
なのだそうです。
かいつまんで説明を試みてみますと、、、
というのが定説なのだそうです。
さらに、
このように、自然的にも人為的にも様々な要因が絡むことから、
地下水の動きは専門家でもない限り、正確には予測しずらい
というのが現状なのです。
・ ・ ・
今回の建物に話を戻しますと、、
■センター南駅東側のバスロータリーを上空から見たところ
今回の敷地で行われたボーリング調査では、既に1m掘った時点で水が
出ていました。地下水が「いる」ことはある程度、予測がついていました。
でも、どれくらいかは、工事してみないと分かりません。
敷地を上空から眺めた先ほどの写真を再度ご覧ください。
どうもこの水、写真手前側の高台から奥側の早渕川の方へと
向かって動いているようなのです。
見えない(ジュワーっと・・布地にインクがしみこむような)水の動き、
ご想像いただけましたでしょうか?
・ ・ ・
ともあれ、まずは建物への影響を回避しなければなりません!
経験ある山本監督も、今回ばかりは結構困りました。
悩んだ末、選ばれた対策とは?
■こちら!↑↑↑樹脂製の「止水板」です
前回、四宮さんが紹介してくれたように、今回の建物の基礎では、
コンクリートを一発で打てないため、どうしても打継面が出て来て
しまいます。
その境目の建物外周部に、「止水板」をぐるりと回して設置し、
コンクリートのわずかな隙間にも浸透してくる水をシャットアウト。
効果のほどは如何に?
■こちらの写真でよくわかりますね!
もちろん、コンクリート自体も、厚さが1mもあればかなりの
止水効果を発揮しますが、打継部分には特に念を入れて、
対策を施すことが肝要です。
それでも万が一、建物の地下に水が入ってしまった、
どうするのでしょうか?
そんな時のための、いわば「奥の手」が、「釜場(かまば)」、と呼ばれる深さ50㎝ほどの溝です。
ここにいったん水を集めておき、揚水のためのポンプを上からポチャンと
降ろして電気の力で水を汲み上げて、排水をします。
メンテナンス以外では目に触れることのない、建物の地下。
そこで、様々な「水との攻防」が繰り広げられていたのですね!!
次回は、再び、鉄筋の話に戻る予定です。
最後になりましたが、
本年もよろしくお願い致します!