2015.10.07
エントランスも大工仕事で
しばらくぶりに現場を訪ねると、、
足場の解体が始まり、駅前広場に向かって建物が
ちょっとだけ顔を覗かせていました。
こんにちは!
設計・花川です。
足場の下の方でまだ覆われているマンションのエントランスでは、
こちらの「羽目板」が施工の真っ最中↓
端部に実(=さね)、と呼ばれる凸部(雄実=おんざね)と
凹部(雌実=めんざね)がついていますね!
これが後ほど写真で紹介するように
施工において絶妙な役割をします。
今回は、写真上の「ベイスギ」を建物エントランスの天井に採用。
年輪が詰まっていて、反り・狂いが比較的小さいのが特徴です。
軒下とはいえ、屋外で使用するため、
保護塗料を表と裏に2回ずつ、塗っていただきました。
見える面=片面だけ塗ると、反ってしまうので、見えない
裏面も塗るのですね。
天然素材ならではの色ムラや木目のバラツキがあるのに加え、
ほのかに樹の香りも漂っています。
* * *
このような手間をかけた素材を受け取った平成建設の大工たち。
不燃ボードとベニヤを組み合わせた下地の上に、写真の左から右に向かい、
1列ずつ、丁寧に天井を仕上げていきます。
普段フローリングを貼り慣れている大工たちも、
天地が逆さになると、勝手が違うようですが、
何だかとっても楽しそう。
羽目板の雄実(おんざね)と雌実(めんざね)をかみ合わせ、
頭が見えないくらい細い、フィニッシュと呼ばれる釘を
「パシュッ」「パシュッ」っと音を立てながら
テンポよく打込んでいきます。
必要な材の長さを2人で測って、、
そのすぐそばで切り出し、、
シャッターを点検するための開口をあけた難所にさしかかっても、、
あて木をしてコンコン微調整して難なくクリア。
(この姿勢、けっこうきつそうです・・・)
淡々とした仕事ぶりの中に、積み重ねてきた年月の重みを感じさせられました。
* * *
今回設計で特にこだわった、天井の木と壁のタイルが出会う部分。
陰と溶け合う色で塗装したアルミの型材を間に挟むことでスッキリと壁と天井が
離れて見える、素材を引き立てるための小さな工夫です。
大工さんの丁寧な仕事ぶりは、エントランスだけではありません!
写真でこそ紹介しきれませんが、住戸内の見えない部分であっても
同じように手と頭をバランスよく使い、スピーディに空間を形にしていく
スキルは、頼もしい限りです。
現場もあと1ヶ月弱になり大詰めを迎えています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
次回も是非、お楽しみに☆