2015.05.20
1階コンクリート打設~ビフォー&アフター
こんにちは!
前々回は、四宮さんから本現場での
1フロア分の施工サイクルについて、
ざっと紹介させていただきました。
今週はその続きをお話しようと思います。
今回の建物は、細かい部分を省くと、
こんな骨組で支えられています。
これは正式には
「耐震壁付鉄筋コンクリートラーメン構造」
と呼ばれるもので、
大体ですが、5階を超える建物になると
よく目にします。
上の図を見ると、
地盤面からの高さが30mもある15本の柱で、
9枚の床版(スラブ)が支えられています。
ラーメン構造といわゆる木造との大きな違いは、
柱と梁が出会うところが、文字通り「ガッチリ」(剛に)と
固められること。
そのことで、地震で建物が揺られても、
各階の床が地面と相対的に少ししか移動しないで、
形をキープできる点が大きなメリットです。
そのしくみは、、、
●15本ある柱のうち、隅の1本の上半分
写っている鉄筋は、地震で建物が揺れた時、人体にたとえるならば
(引っ張る力に抵抗する)「筋肉」の役割を受け持ちます。
●別の柱のせき板を外したところ(サポート付)
一方でコンクリートは、(上からかかってくる押しつぶす力、
重力に抵抗する)「骨」の役割を、主に担っています。
鉄とコンクリート、それぞれが絶妙に弱点を
補い合うところがミソで、柱と梁が出会うところは
とりわけ鉄筋が密になっているので、「ガッチリ」と
フレームを固めることができます。
それにしても、1階ともなると柱が太いですね!!
もう少し細かい部分について見て行きましょう、、、
●避雷設備(アース廻りの配線)
●複雑な形状をした2階への階段
●後からパネル状の壁を取り付けるための金物
など、様々な物が型枠に固定されていますね。
これらの物とせき板の間にコンクリートが流し込まれても、
同じ位置が保たれるように、写っている「セパレータ」や
「結束線」、「パイプサポート」が一時的に活躍します。
(このあたりは、矢崎・志水ペアが「ポケットパークがもてなす
マンション」でも解説していますのでよろしければご覧ください→★)
そして、アフターがこちらです。
上の3枚の写真のそれぞれについて、
コンクリートを打って、型枠をばらした後の姿が、こんな感じ。
上下の写真をよーく見比べてみて下さい!
コンクリート打設前と後とで
ほとんど同じアングルとは思えない変わりようです。
上の写真はえらく複雑なのに、出来上がった
下の写真は至ってシンプル!と思いませんか?
出来上がるものは単純でも、背後に必要とされる知恵は、
ほんとに山ほど、あるんです。
(続く)