2015.06.12
ぶよっとした白いやつ
梅雨入りして雨予報が続きますね・・・
家から一歩も出ないっ!!と決めた日の雨は好きだったりします☂設計の四宮です☆
1階のコンクリート打設が終わり、2階部分の配筋へ。
写真の左手の柱に何か寄りかかっているものが見えます。。
鉄筋屋さんのメモです!
どこの鉄筋がどのような加工になって搬入されているか。
どの部分の施工が終わっていないか。といった内容が分かるようになっています。
前回、花川より鉄筋とコンクリートの役割やその陰にある様々な工夫をご紹介しました。
2階に来るとまた違った「縁の下の力持ち」を見つけましたので、ご紹介いたします(^^)
まずはこちら!
床に白いものが敷いてあって、鉄筋が刺さっています…?
触るとブヨっとする、柔らかい発泡スチロールのようなもの。。。
少し工程が進むと下のようになります。
この床にある白いものは、「構造スリット」と呼ばれるものです!
スリットの前後の床に敷いてある桟木は、「敷桟(しきざん)」と呼ばれるもので、
この位置に壁の型枠を建てていきます。
敷桟について、詳しくはこちらをご参照ください☆
http://blog.heiseikensetu.co.jp/blog/apartment6/entry/1022.html
つまり、
「構造スリット」は壁の中。そして床の上になる部分に埋め込まれるものなのです。
前回、花川よりご紹介いたしました「耐震壁付鉄筋コンクリートラーメン構造」とは、
柱・梁・床とプラスアルファ「耐力壁」という壁で建物のフレームを形作っています。
この耐力壁、建物が横に捻じれる力に対して柱と梁を補強する役割を担っていますが、
壁には、耐力壁になれるものとなれないものがいます。
建物にかかる力を基礎まで伝えられる壁。つまりは、1階からずっと同じ位置にいる壁は耐力壁となれる要素を持っています。
反対に、階の途中で間取りが変わり、間取りを仕切るために必要となる壁は耐力壁にすることが難しいのです。
これらは構造を担わない壁として、「雑壁(ざつかべ)」と呼んで区別をしています。
写真のスリットが入っている部分に施工される壁はこの「雑壁」にあたるのです☆
構造を担うほかの部材に対して、雑壁から想定外の力が伝わらないように、
意図的に「構造スリット」を使って縁を切っています。
下の階から上がってきた鉄筋は、円筒形の白い発泡スチロールのようなものを被せて、
スリットより上の鉄筋と一体にならないようにしているのです。
次はこちら!!
柱と壁の鉄筋の間にまっすぐ仕切りのようなものが入っています。
次は!と言っておきながらこれも「構造スリット」のひとつです(^^)
そう、右に写っている壁は雑壁さんなのです♪
コンクリートが打ち込まれた後の様子はこちらです!!
少し太い黒のライン部分に壁の構造スリットが入っています。
この上から仕上げ材料を貼ったり、塗ったりしてしまうと見えなくなってしまいますが、
建物の強度を保つ上で非常に大切な部材のひとつなので、しっかり検査します!
…検査が終盤に差し掛かってきたところで、
工務部の型枠大工達が登場☆
下の階から再利用できる型枠を運びあげる「荷揚げ」をして、
型枠に付着したコンクリートをきれいに清掃する「ケレン」、
傷んだ箇所を修復する「小直し」を行い、
検査の終わった部分からドンドンと型枠が建っていきました(`・ω・´)
写真は皆で一斉に「ケレン」を始めたところです。
…さながらケレン大会っ!!
「荷揚げ」、「ケレン」については、こちらのブログで分かりやすく紹介しています!!
http://blog.heiseikensetu.co.jp/blog/apartment6/entry/1027.html
1階部分も工事が進んでいましたが、その様子はまた次回にお伝えいたします♪
2015.05.20
1階コンクリート打設~ビフォー&アフター
こんにちは!
前々回は、四宮さんから本現場での
1フロア分の施工サイクルについて、
ざっと紹介させていただきました。
今週はその続きをお話しようと思います。
今回の建物は、細かい部分を省くと、
こんな骨組で支えられています。
これは正式には
「耐震壁付鉄筋コンクリートラーメン構造」
と呼ばれるもので、
大体ですが、5階を超える建物になると
よく目にします。
上の図を見ると、
地盤面からの高さが30mもある15本の柱で、
9枚の床版(スラブ)が支えられています。
ラーメン構造といわゆる木造との大きな違いは、
柱と梁が出会うところが、文字通り「ガッチリ」(剛に)と
固められること。
そのことで、地震で建物が揺られても、
各階の床が地面と相対的に少ししか移動しないで、
形をキープできる点が大きなメリットです。
そのしくみは、、、
●15本ある柱のうち、隅の1本の上半分
写っている鉄筋は、地震で建物が揺れた時、人体にたとえるならば
(引っ張る力に抵抗する)「筋肉」の役割を受け持ちます。
●別の柱のせき板を外したところ(サポート付)
一方でコンクリートは、(上からかかってくる押しつぶす力、
重力に抵抗する)「骨」の役割を、主に担っています。
鉄とコンクリート、それぞれが絶妙に弱点を
補い合うところがミソで、柱と梁が出会うところは
とりわけ鉄筋が密になっているので、「ガッチリ」と
フレームを固めることができます。
それにしても、1階ともなると柱が太いですね!!
もう少し細かい部分について見て行きましょう、、、
●避雷設備(アース廻りの配線)
●複雑な形状をした2階への階段
●後からパネル状の壁を取り付けるための金物
など、様々な物が型枠に固定されていますね。
これらの物とせき板の間にコンクリートが流し込まれても、
同じ位置が保たれるように、写っている「セパレータ」や
「結束線」、「パイプサポート」が一時的に活躍します。
(このあたりは、矢崎・志水ペアが「ポケットパークがもてなす
マンション」でも解説していますのでよろしければご覧ください→★)
そして、アフターがこちらです。
上の3枚の写真のそれぞれについて、
コンクリートを打って、型枠をばらした後の姿が、こんな感じ。
上下の写真をよーく見比べてみて下さい!
コンクリート打設前と後とで
ほとんど同じアングルとは思えない変わりようです。
上の写真はえらく複雑なのに、出来上がった
下の写真は至ってシンプル!と思いませんか?
出来上がるものは単純でも、背後に必要とされる知恵は、
ほんとに山ほど、あるんです。
(続く)
2015.05.12
センター南駅の魅力~監督さんの散歩道から
こんにちは!設計・花川です。
年度初めからしばらくは雨の日が多かったですが、
幸いゴールデンウィークは好天に恵まれ、
私も日頃の運動不足を少し解消できました!
●GW前のセンター南駅前広場
さて、
今日はちょっと現場からは離れてしまいますが、
一番最初のブログ(★)に因んで、センター南駅前の変化について
監督さんから届いた写真を交えてご紹介します。
まずはこちら(゚д゚)!
●施工中の現場6Fの南側バルコニーからY監督撮影
設計が始まった頃は何も無かったのですが、
着々と工事が進み、今年4月にオープン
した新しい駅ビルです。
外観もさることながら、
その名「光ビル」が示す通り、
夜もバッチリライトアップされて
輝いて見えます。
さっそく中を覗いてみると、、
駅の改札を抜けてすぐ左手にまず
生活に密着したスーパー・薬局・飲食店の3点セットがあり、
●駅ビルのテナント風景
そこを抜けると、
シースルーのエレベーターに乗って
地上に降りることができます。
●駅ビルから敷地方向を望む
地上バスロータリーと同じレベルには、
バス待ちの時間を優雅に過ごせる
こんな喫茶店もあります。
待ち合わせなどにも便利そうですが、
更にそこからは、
バスロータリー沿いの
ギザギザが特徴的な長~い庇が、
●バスロータリー地上の様子
雨の日にも傘をささずに
敷地まで行けるルートを
きちんと確保してくれています。
つまるところ、今回の建物は
ベビーカーでも車椅子でも安心の
駅直結バリアフリーマンション!
なのです。
しかも、、、
上の写真は一見するとただの広場ですが、
その下には何と、
●バスロータリー地下の様子
585台もの収容台数を誇る
年中無休の地下駐車場が!
(※もちろん有料です)
電車・バス・タクシー・車・
バイク・自転車・レンタカー
多種多様なモビリティに対応した
これ以上アクセスのよい敷地条件は、
そうそう滅多にあるものではありません。
余談になりますが、
この立体的な駅前の造りに
「ニュータウン」の名残りを
感じるのは設計士の私だけでしょうか。
ニュータウンというと、ちょっと
昭和な匂いがしますが、センター南は
未だ成長中の若い街です。
機会があれば、敷地に立ち寄ってみて
頂けたら幸いです!
2015.05.01
鉄筋→型枠→打設のサイクル
ゴールデンウィーク!!いかがお過ごしでしょうか??
休みを見越して仕事のスケジュールを立てたのに、
休みのスケジュールが空白…設計 四宮です(´・ω・`)
さて、センター南駅前の現場ですが、
1階床のコンクリートが出来上がり、
1階の柱と壁の配筋・型枠の施工へと進みました。
弊社 工務部の型枠大工達がサクサクと枠を建てていました。
9階建ての建物を支える、1階の柱や梁はとても大きく、
鉄筋も大きいサイズのものが使われています。
↑型枠上から柱の鉄筋を見下ろした様子。
こちらは前回、豊田が取り上げていました、
謎の型枠。。
このようになりました!!
と言っても
…分からないですよね(笑)
鉄筋の様子から察するに、柱の型枠部分に使われているようです。
どのような意図があるのかは、1階の型枠が外れた時のお楽しみなのです♪
柱の型枠が建った後は、梁の型枠を組み立てます。
オレンジ色が見えている部分は、梁の側面の型枠です。
大きさが何となく伝わりますでしょうか。
この後、穴が開いている部分(1階の床が見えている部分)に
2階の床の型枠を建てると、
現場の主役は再度、型枠大工から鉄筋屋さんへ交代します。
梁の鉄筋を型枠に入れ込み、
梁に乗せるように2階床の鉄筋を組んでいくと、
上の写真のような形に!
鉄筋や設備配管、型枠のサイズなどの検査をクリアできたら、
コンクリートを打設し、また柱の型枠を…
と繰り返していくことが、コンクリート躯体工事の概要です♪
9階建てなので、何度このサイクルを繰り返すことになるのでしょうか。。。
現場の職人さん達には本当に頭が下がります。
この先の暑さにもめげずに頑張って頂きたいです。
次回は、躯体工事について、
より詳細な部分を取り上げてお話ししたいと思います!!
乞うご期待☆
2015.04.17
オーナー様と設計と現場のコラボレーション
こんにちは。
お久しぶりの設計課 豊田です♪
このところ寒暖の差が激しいですが、
皆様、体調を崩されないようにお気を付けくださいね◎
さて、ブログを開始してから前回まで、
数回にわたり地盤と基礎構造についてじっくりとご紹介してまいりました。
とにもかくにも、建物で一番大事な部分!施工も検査もしっかりと!!
というイメージはお伝えできたでしょうか。
やーっと地上のご紹介ができますね!
現場は1階床が施工され、
ホームセンター コーナンさん側の道路(写真下)と地続きになりました!
ここからは、上へ上へと伸びていきます↑↑
この日も工務と協力業者さんが着々と工事を進めています。
ということで、現場で黙々と仕事に打ち込む職人5連発。
お顔が写らず残念ですが、
みなさま、働く姿はかっこいいですね☆
さあ、今日のお題に繋がる1階の話ですが、
今回1階は、4~9階の賃貸部分の入居者専用駐車場がメインとなります。
駐車場なので、柱だけが整然と並ぶ、広い空間になります。
下の写真はバスロータリー側の様子。
あえて整然とした無機質な空間にしよう。
ということで、構造躯体を露わにした、打ち放しコンクリートで仕上げていきます。
でも、ちょっとした遊び心も。
オーナー様との打ち合わせの中で、
歩道から駐車場を通ってエレベータに至るルートだけ、
アプローチ空間として、
少し演出を加えようという話が持ち上がりました。
オーナー様のアイディアをもとに、
工務お手製のちょっとしたデザインを施しました。
こちらを使って、どんなものが出来上がりになるのか・・・!?
オーナー様と設計と現場のコラボレーションの結果は
後日ブログのお楽しみです♪
***
最後に現場あるあるをご紹介。
1階からは各階の床に四角い箱抜きの穴↑が現れます。
工事中にしか現れない、通称 「ダメ穴」。
下の階でばらした型枠を上階に運搬するのに必要なのです。
役目が終わったら、穴をモルタルで埋めてしまいます。
現場では、施工を効率良く行うために、いろんな工夫がされているのですね☆
運搬の様子は、もう一つのマンションブログ
で紹介されていますので、ぜひこちらもご覧ください☆