• December
    27
    2014

    第参話「伝統工法と変な溝」

    「メリークリスマシタ」

    みなみなさまはさんたさんになにをいただきましたか。

     

     

    日本におけるクリスマスの起源は1549(天文18年)年にフランシスコ・ザビエルが文化を持ち込んだことから始まったといわれています。

    その後鎖国や戦争などあれこれありましたが、1950年代中頃には一般家庭でもクリスマスを祝うスタイルが定着していきました。

     

    こんにちは大工工事部設計課後藤です。

    長文失礼いたします。

    ところで皆様「伝統構法(工法)」というものをご存じですか。

    建築の専門家の方々の間でも明快に区別して語られていないのですが、柱を使って家を建てるという構法を「木造軸組み工法」といい、

    筋交い、ボルトやプレートなどの補強金物及び構造用合板に類するもので壁量を確保して家を建てることを「在来構法」といいます。

    一方で、壁量に頼らず構図架構(木組み)そのもので耐力を生み出して家を建てることを「伝統構法」といいます。

     

    地震に対して金物や筋交いで対抗

               「在来構法・剛」

    地震に対して木組みでエネルギーを吸収

               「伝統構法・柔」

     

    いわば「剛構造」と「柔構造」です。

    弊社が建てる住宅においても大工手間が少なく、地震時の揺れも伝統構法に比べて小さい在来構法を採用するケースが多くなっております。

    しかしながら、近年の研究、実験によって大地震に相当する揺れにおいても全壊しない等の事例もあることから、どちらも一長一短であり構造耐力の面ではどちらかが優れているとは言えないようです。

     

    大きく異なる点はやはり「歴史」でしょうか。

    間柱

     

    建設中の現場でよく見る筋交い。これ実は本格的に使われ始めたのは戦後だということをご存知でしたか?

    恥ずかしながら、私は最近知りました。世に定着しだしたのはクリスマスより遅いんですね。

     

    『伝統構法』 は木組架構そのものですので長年にわたり受け継がれて来た伝統的型があります。それを自らの手で体現し、現代の技術による快適性を加えた家に家族と共に住みたいと動き出したのが川原崎様邸です。

     

    この継手や仕口が古来より受け継がれてきた伝統的型です。

    1本1本大工の手作業により刻まれた材料は、現場で入らない等の不具合がないよう、その場で一度実際に仮組します。

     

    そしてみつけました「不思議な溝」!!

    柱と思われる4寸角の部材両面に掘られた細長い溝。

     

    そしてそれが大工布谷の手により掘られている瞬間!

    実は大量の柱や梁に掘られたこの溝こそが、この川原崎邸最大の見せ場であり、特徴でもあります。

    一体何なのでしょうか??

     

     

    さて平成建設の最後の出勤日は各支店・各部署とも大掃除が恒例行事となっております。

    従って、本日(12月26日)が実質的仕事納め。

    それを狙ったかのように10月より加工してきた材料が現場に搬出されていきました。

    (実際は棟梁をはじめとする弊社大工集団が汗水流して刻んできた賜物です。)

     

    丁度工栄建設の名倉さんが手伝いに来てくれていました。

    (多能工は本当に頼もしい仲間です。ありがとうございます。)

     

    いってらっしゃい!

     

    来年は年明け早々建て方が始まります。

    在来工法での建方とは異色の風景が見られると思いますよ!

    この膨大な木材の山(これでもごく一部ですが)がどのようなカタチを形成していくのか。。。

    乞う期待!!

     

    本年平成建設は25周年記念祝賀、世田谷支店OPENと一つの節目のような年を迎えることができました。

    これもお客様をはじめ、現場近隣住民の方々、関係業者様のおかげでございます。

    来年はより一層みなさまにおもしろく、質の高い「もの・こと」が届けられるように会社全体で精進してまいります。

     

    皆様よいお年をお迎えください。

     

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  • December
    22
    2014

    第弐話「KIZAMI」

    こんにちは。大工工事部設計課の後藤です。

    街を歩けばクリスマス、お正月といよいよ年の瀬といった感じですね。

     

    皆さんは残りの2014年をいかがお過ごしでしょうか。

     

     

    弊社の大工の仕事としましては、多少前後することもありますが、

    建前(骨組み)→屋根下地組み→サッシ取付→外壁下地組み→床下地組み→天井下地組み→内部壁下地組み→床材施工→天井下地板・壁下地板張り・造作工事→雑工事

    となります。

    その作業の中で必要な材料を拾い、発注、必要なものは加工場或いは現場に搬入して加工後組み立てというのが全体の大まかな流れです。

     

    ただし柱や梁といった構造材に限っては、プレカット主体となります。

    設計図面を元にプレカット会社に依頼し、住宅の構造材を合理的に解剖して工場で製材された木材はプレカット工場で加工されます。

    建設現場には、継ぎ手、仕口の加工まで施された材が配送され、あらかじめ工場で加工済みのものを現場で組み立てることによって、

    工期の短縮建築現場の資材置き場や作業スペースの縮小大工の技量によらない均質な加工などのメリットが得られるので、現在の木造住宅建築においてプレカットは全国で幅広く用いられています。

    従来、木造住宅では現場に作業小屋を設けそこで木材を加工しており、実際の建物の各部位の寸法にあうように材を切断し、ホゾなどの仕口加工をするのは、現場の大工がやる作業でした。

    便利になった反面、「刻み」という根本的大工技術の継承が困難になっています。

    弊社においても「刻み」から手掛ける現場は稀です。

    今回取り上げさせていただくのは川原崎様邸。お施主様は弊社大工の川原崎和俊(かわはらさきかずとし)様。

    http://blog.heiseikensetu.co.jp/blog/carpenter/author/267.html

    上記ブログを見ていただければ分かる通り日本の伝統構法への思い入れは強く、

    ご自宅を日本の伝統技術をより住みよい昇華したカタチで実現しようと、「刻み」から行っております。

     

    貴重な機会とあって、大勢の大工が自分の現場が終わってから刻みに参加しています。

    かわさん、ありがとうございます!!

     

    弊社では全ての過程・工程で

    HEISEI DAIKU MINDを注入し、

    お客様の思いを形にし、日本の建築技術を伝承していきます。

     

    平成建設では

    本物の職人が育っています。

     

    第参話につづく・・・

     

     

     

     

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  • December
    03
    2014

    第壱話「なんじゃこりゃ」

    なんじゃこりゃ!?

    皆様!!知ってますか!?

    あちこちに積まれた木材の山・山・山。

     


     

    現在、本社加工場内、過去最高潮に慌ただしくも、にぎわっております。

    遂に動き出した「川原崎様邸プロジェクト」

    その実態とは如何!?

     

     

     

     

    随時更新していきますので、お楽しみに!!

     

     

    大工工事部設計課 後藤

     

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  • February
    13
    2014

    後輩の後藤です。

    こんにちは、皆様の後輩、後藤です!

    仮病の川原崎さんに代わってUPします。

     

    皆様にも甚大なる影響を及ぼしたと思われる大雪!!

    何やら20年に一度らしいですね、、、。

     

    朝の函南町にある現場はこんな状態。。。

     

    歩いてきました。

    車で上って来れる状態ではありません!

    なもんで函南はあきらめ、、仕事を求めて伊豆長岡の現場へ、、、。

     

    上棟から一月ほど仕事をした思い入れのある現場です。

    工期も残りわずか。

    私に与えられた任務は、PB貼りと、巾木そして玄関周りのまとめでした。

    南国出身の私は、普段味わえない外の光景にテンションMAX!!!

     

    現場にいるほかの方々も午前中、ノリノリ一生懸命仕事をしましたが、

    昼が近づくと空気は一変。

     

    「これ帰れないんじゃね!?」

     

    そして現場担当者の戸塚先輩はこう言いました。

    「STAYしてくか!」

     

    「王様の言うことは??絶対!!」

    あきらめました!

    帰ることを!!

     

    ということで午後も普段と変わらず作業をして、夜は現場近くの温泉旅館「弘法の湯」へ。

    翌日も仕事。

    夕食朝食入浴岩盤浴と旅館生活を満喫し、しっかりと睡眠をとって、

    翌朝いつもと同じように出勤!!

    ただし朝一の仕事は、近隣の方と一緒に雪かき!

    北国で生活する方々は毎日こういう生活をしていると思うと、本当に尊敬します。

     

    道路とエントランス前の雪をあらかた取り除いて、さあ仕事!

     

    この日は玄関の下駄箱を製作、取り付けを行いました。

    説明書通りに組み立てていき、図面を見て設置するのですが、

    既製品なだけにものの精度を気にしだすと意外と難しい。

    あの手この手で綺麗にまとめました。

     

    そんな若輩大工の私の隣の部屋では、この現場の王様戸塚先輩が、

    素敵な仕事をしていました。

    前日に敷目天井をはり終え、この日は敷居と鴨居の制作。

     

     

    この日は天気も良かったため、お施主さまがいらっしゃいましたが、大満足されていました。

    私も早くこういう仕事ができるようになりたいものです。

     

    この現場では見学会も行われるので、気になる方は是非実際に見に来てください!!

     

     

    ここらへんの地域では20年ぶりの大雪とのことでしたが、

    とても貴重な体験ができました。

     

    二人で上村愛子に一喜一憂したこの日のことを一生忘れないでしょう。

     

     

    次の更新者は一体誰になるのかな!?乞うご期待!!

     

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