• November
    18
    2014

    粋な忘れ物

     

    お久しぶりです。

    福田昌平です。

     

    いきなりですが

     

    大工さんが持っているイメージがあると思いますが、

    そう、指矩(サシガネ)・尺金の写真です。

     

    私たち大工は、指矩(サシガネ)を用いて、長さや直角だけでなく、

    規矩術と呼ばれる手法であらゆる角度や、木造建物の仕口・継手その他接合部分など、

    部材の形状全般をこの曲がった定規で行っています。

     

    この規矩術というのがとても優れものかつ、最初に頭から煙がでる大工の勉強なのですが、

    簡単に説明すると、ピラミッドの角の角度を一発で出せる。といったところでしょうか?

    (正確には、何度というのが出るのでなく、同じ角度を材料に書き写せるということです。)

     

    図形が得意な方は、三平方の定理やルートなどで出せると思いますが、

    大工は、現場で指矩(サシガネ)を使って出しちゃいます。

     

    堂宮の軒先やら複雑な屋根、このさしがねがなければ、出来ません。

    五重塔も建っていません。

    (この話をすると、長くなりすぎるので・・・)


    何が言いたいかというと、大工にとってとても大切な道具だということです。

     

     

    そんな、サシガネが解体時、一本出てきました。

    有名な話ですが、東大寺南大門の梁の上に置かれた墨壺のように、

    大工さんの粋な忘れ物だと思いますよと、

    しっかりとその当時の棟梁が見守っていたんだと思いますよと

    お施主様にお伝えしたところ・・・

     

    『じゃあ、福田さんも忘れていって下さい。』と・・・

     

     

     

     

    先日その現場のお引渡を迎えました。

    しかし、これからが本当のお付き合いだと思っています。

     

    小屋裏に置かせて頂いた、さしがねのようにこの先も末永く、宜しくお願い致します。

     

     

    I様、ありがとうございました。

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    Profile | 大工・現場監督


    福田 昌平(ふくだしょうへい)

    一級建築大工技能士

 
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