• January
    10
    2017

    仕事始めは。

    明けましておめでとうございます。

    渡邊です。

     

    新年を迎え仕事を始めるにあたりみなさんそれぞれ行なうことがあると思います。

     

    道具を新調したり、

    祝賀式を催したりします。

     

    先日、小田原市報徳二宮神社では大鳥居が木造に作り替えられるにあたり

    「ちょうな始め」が行なわれました。

     

     

    ちょうなはじめとは、起工式または新年仕事はじめに行なわれる儀式のことです。

     

    順に丈量の儀。墨指しの儀。手斧の儀。鋸の儀。鉋の儀。槌打ちの儀。

    が行なわれます。

    この一連の動作を「ちょうなはじめ」と言います。

    貴重な神事を見学させてもらうことができました。

     

     

     

    さて。現場。

    T様の檀那寺に、T様、設計、大工皆で参り、安全祈願をして仕事始めとなりました。

    そして、T様より祈祷がなされたお守りを大工一人ひとりに頂きました。

    まだ1年以上続く木工事。無事故でいきます。

     

    現場は進み、天空の戦士たちは

    化粧板を張り、

    斜め野地を張り、

    断熱材を張り、

     

    通気胴縁、上野地、ルーフィングを終え、一次葺きが一段落しました。

    これから、板金屋さんに板金を葺いてもらい、

    さらに母屋を流して、垂木、、、とまだまだ続きます。

     

    今回は断熱材に注目!

    家の断熱はスタイロフォーム、グラスウール、ウレタン吹き付けが主流です。

     

    T様では「フォレストボード」を使用しています。

    これは杉皮、トウモロコシを細かく砕いたものを固めた断熱材なので環境、人に優しい建材です。

    かつ、蓄熱性に優れ結露がしにくいと言われています。

    ここにもこだわりを感じました。

     

     

    工事現場は怪我と隣合わせの環境ですが

    未然に防げる事故はたくさんあります。

    一同協力して予防していきます。

     

    労災0!ブログ上位!

    みなさま今年もよろしくお願いします。

     

     

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    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

  • December
    22
    2016

    大工の遊び

     

    どうも渡邊唯希です。

    大工である私が休日どんなことをしているのか。

    そんな話ではありません。

     

    京都・西本願寺にはいたるところに埋木がしてあります。

    富士であったり、

    鷹であったり、

    茄子であったり、ただの埋木とせず少し趣向を変えています。

    そう!これが大工の「遊び」です。

     

     

    ここT様邸にも大工の遊びが入っています。

    それが「卍」です。

     

    ブログで何度か登場した卍が無事納まりました。

     

    そもそもここでいう卍というのは囲炉裏の間の上部の吹き抜けにある化粧梁のことです。

    普段はタテタテヨコヨコと井桁状で組むのであまり取り上げられませんが、

     

    今回はお互いの梁が支え合い上であり下になっています。

    うまく説明できません。

     

     

    仮設の床を作り、

    レッカーを駆使して、、

    柱を浮かしながら、、、

    梁を半がかりにして、、、、

    ズドンと落とします。

    うまく説明できません。

     

    下から見ると大迫力です。

    見事な卍固めが決まりました!

     

     

    何もうまく言えていない私ですが

    これを見て思うのは、

    すばらしい発想と技術を兼ね揃えてかつ、

    適度な「余裕」がないと

    この決断まで踏み込めないでしょう。

     

    つい、無難でがちがちな仕事をしがちですが

    どこか抜けていないと遊ぶことができないのかなと。

     

    棟梁の遊び方にしびれます。

     

    そして難なく棟上げがが終了。

    倉も上棟しました。

     

    上棟した瞬間さすがの小川さんも安堵の表情に思えました。

    本人は何も思っていないのかもしれませんが

    ぼくにはそう感じました。

     

     

    最後に

    建前中ギラッギラッに輝いていた原田氏。

    投稿許可はとっていません。

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    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

  • December
    16
    2016

    建前快晴なり

    紅葉散る頃

    建前が行なわれました。

    土間シートには紅葉がかかり季節を感じます。

    鎌倉は寒すぎてブルーシートにくるまって寝る原田氏

    季節を感じます。

     

    どうも。大工の渡邊唯希です。

     

    現場入りしてはや3週間が経ちました。

    現在は無事上棟を終えています。

    そんな建前の様子を小出ししていきます。

     

    時は遡り12月初め。

    現場に沼津産の材料が搬入されました。

    ひと際でかい棟には住職による祈祷がなされました。

    大工一同手を止め見守ります。

    お施主様の名前が書かれ、

    「棟梁 小川毅」の名前が書かれました。

    自分もいつか名が残せる大工になりたいと思うひとときでした。

    この儀礼も普段は行なわれないので始めて経験しました。

     

    さて。建前。

    柱を立て、「いの一番」から梁を入れていけばいいというわけではありません。

    本社で仮組したときのことを生かし無駄な手戻りなく進めていきます。

    複雑に組み合わさるため順番を間違えると入りません。

    無理矢理やっても入りません。

     

    付け鴨居、三方差し、車知栓、杓子ほぞ、小口蟻などなど

    本でしか見たことないことがここでは散りばめられています。

    平松さんが死ぬ気で刻んだ梁も納まり、

    博康さんもおそらく死ぬ気で刻んだであろう牛梁も納まります。

     

    こんな感じで順調に進んでいます。

     

     

    20年経ってこの墨付けができるか

    10年経ってこの刻みができるか

    考えるとまだまだな気がします。

     

    6年経っても知らないことが山ほどあるから大工はおもしろい。

    面白さと自分の未熟さを痛感する建前でもありました。

     

    とりあえず現場では一番動き回ろうと思います。

     

    卍らへんもいい感じなので次回に。

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    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

  • December
    08
    2016

    それぞれのこだわり

    こんにちは。渡邊唯希です。

    T様邸新築工事は鎌倉編に突入しました。

    私も現場に入ってます。

     

    神奈川、静岡それぞれのエリアで活動してきた大工が今回は鎌倉で協働して進めて行きます。

     

    今回は土台据えの話。

    沼津で刻んだ大木たちを支える基礎、土台も規格外の大きさです。

    基礎、基礎内の鉄筋ももちろん我が社の基礎班、鉄筋班が強靭できれいに仕上げました。

     

    土台となるのは6寸(180mm)×5寸(150mm)のヒノキ材です。

    何十トンを支えなければいけないだけに土台も特大サイズです。

     

    土台と基礎のあいだはくっついていると腐食の原因になるためネコ土台という

    スペーサーを挟みます。通常は樹脂製のものを使いますが!

    ここはお施主様の「こだわり」で御影石を使っております。

    仕上げると見えなくなるところにもこだわりを感じます。

    この規格外の大きさはネコというよりライオン土台と言うべきでしょう。

     

     

    継手となる部分は金輪継ぎでつなげます。

    この金輪継ぎというのは数ある継手の中で最強と言われています。

    普段使われないのは手間がかかり、また金輪以外でも十分に強度がとれるため

    めったに土台では使われません。

    そこを設計士、棟梁の「こだわり」で採用しました。

     

    繋げたモノは最長で15m。大工3人では持ち上がらなかったので基礎班にも協力してもらい

    5人で納めました。

     

     

    難所も無事超え終了。3日かかりました。

    同時に今度は足場班が足場をかけに来ました。大工との入念な打ち合わせで

    今後の作業をしやすい場所に据えてくれます。

     

     

    このそれぞれのこだわりをもった中で作り上げる家を

    私自身こだわりを持って取り組んでいきたいと思います。

     

    次は建て方始まります。

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    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

  • December
    26
    2014

    目を養い手を練ってみた

    こんにちは。渡邊です。

    唯希(5年目)の方です。

    前回の更新では熱い大工さんたちからの反響を多く頂き、さらに頑張ろうと思いました。

     

     

    さて、今回は。

    和風建築にはよく丸太が使われます。そのなかで一際目につくこの部分!

    「どうなってんの?」と思いませんか?僕は思いました。

    ネットで調べて本で調べて...

    やってみました。

    やり方はいろいろあるんですがこの手法は『捻組(ねじぐみ)』と呼ばれるものです。

     

    僕なりに簡単に説明してみたいと思います。

    まずパーツ!左から楔3つ、短いですが丸太桁、鼻先(先端部)、交差する丸太梁、柱です。

    先端部材(鍵状のほぞ)を中心が丸く掘られたほぞ穴にブスっ!

    そして90度クルッ!

    先端側のパーツと合わせてコチコチっと楔を打って

    柱を入れれば完成。

     

    独特な組み方で捻っていれるから捻組です。そのまんまです。

    この手法だと金物を一切使わず木材のみでできます。パパッと説明しましたが実際には相当の時間と技術が求められます。

     

    興味のある方。今の説明じゃわかんない方。我が家にも造ってもらいたいと思われた方。厚木支店にいらしてください。

    全力で説明させて頂きます。

     

    まだまだ未熟者ですがもっともっと身につけて、出来上がってしまうと大工しかわからないところを伝えていけたらと思います。それではまた。

     

     

     

     

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