こんにちは 大工工事部 平松です。
先日の九州の地震の映像は衝撃でした。
熊本城をはじめ大型建造物や民家が倒壊しているのをみると、大工としてもショックが大きいです。
自分の地元が長崎県というのもあり、色々と心配もつきないですが、今何もできないことがもどかしい思いです。
一日でも早く元の生活に戻れることを心より祈っています。
前回は梁の刻みに入ったところでした。今回はこれまでにあった様々な仕事を紹介していきたいと思います。
まずはこれ。車知(しゃち)継ぎといいます。
古材には多くの箇所にこの仕事がしてありました。
昔からある伝統的な継手であることが窺えます。
古材の欅を削って作った車知詮(しゃちせん)を打って、強固な継手となります。
上に飛び出しているのが車知詮です。これは仮組みの為、抜けるように穴を開けてあります。
梁の成がちがうものを継ぐので、小さい方の形をひかって(型どって)、五分ほど入れ込みます。
小口にひかりつけるのは、これまでと違ってまたちがう難しさがあります。
次は兜蟻掛部分の面越(めんごし)という仕事です。
梁の上部が仕上がりとして見えてくるところはこのような仕事を求められます。
もう一息というところの写真です。
このあともう一度くせをとって、あとわずかのすきまを無くしました。
車知継ぎもそうですが、こちらが構えるような仕事は、先頭をきって渡邉さんが向かってくださいます。
頼もしい大工さんの後ろ姿を見させていただき、自分達も奮闘しています!
千秋さんの首なが鑿も大活躍していますね! 兜蟻を逆さまにして刻んでいるところです。
矢崎さんも応援で来てくれました。隠れる所にかすがいを打って、材がグラグラしないようにして仕事をしていますね。
博康さんが入り組んだ部分を攻めています。
このあたりが組み上がったらどのように見えてくるのか、いつマスクが取れるのか、とても楽しみです!
仕事が出来たらその都度組みながら、距離や矩を確認しながら仕事を進めています。
棟梁が近くで墨つけをしておられるので、刻んでいて迷うところもすぐに解消しながらできる為、とても効率的な配置です。
写真見るまで気付かなかったですけど、この日は5人きれいに平行に並びましたね(笑)
奥では梁の墨がまとまり、小川さんが1階の柱の墨つけが始まろうとしています。
何度も言ってるような気がしますが、刻みが進むにつれてますます昔の大工さんの技術の高さを感じます。
渡邉さんも「素晴らしい!」とおっしゃっていました。
未来の大工さんにそう言ってもらえるように、一丸となっていい仕事を残していきたいと思います!