• January
    30
    2017

    面戸しゃくりに新兵器

    どうも。渡邊です。

     

    「ここ先にしゃくっといて〜」

     

     

    「しゃくりが浅いよ〜」

     

     

    大工は『しゃくり』というワードをよく使います。

    刻みのときにもそんなことが出てきてましたね。

    http://blog.heiseikensetu.co.jp/blog/carpenter/entry/1324.html‎

     

     

    簡単に言えば溝を掘る加工です。

     

    そして「面戸(めんど)しゃくり」は、垂木間に入れる面戸を

    経年変化で木が痩せても隙間を作らないため溝を掘って入れ込みます。

    昔ながらの技術です。

    以前リフォームした民家にもちゃんとありました。

    タッキーもここの現場で学びました。

     

    この面戸しゃくりも刻みのときにいっぺんに加工するのが主流。

    特になんてことのない加工なんですが、

    今回は棟が特大の丸太で化粧垂木が7m一本モノなので正確な位置が出ず、

    あらかじめ加工することができません。

    現場で一度垂木を入れて、

    面戸の位置を出して、

    外し、加工して、

    また入れる。

    という手間のかかるのが悩みの種でした。

     

     

    手間のかかるであろう作業を解決してくれたのがこいつ。

    「入隅カッター」と呼ばれるもので、

    愛知県の道具屋利兼さんのオリジナル商品です。

     

    床張りの首切るときに役立つだろうと年末に購入していました。

     

    入隅部も問題なく届きます。

    詳細はまた後日。

     

    それが応用できるんじゃないかとひらめき!

    定規を作り、

    入隅カッターを上から下に下ろすだけで

    溝を2本掘り、あいだを鑿でコチコチッとすれば、

    垂木外さなくてもできんじゃん!と心の中でニンマリ。

     

    当初は2人でないと垂木は外せなく、

    南北約100本の垂木に加工して据えるまでざっと4〜5日ぐらいかかるかなと予想されましたが、

     

    新兵器により一人で4日かからず終了。すでに元は取れたと思います。

    今後もいろいろ使えそうです。

    バチッと綺麗に納まりました。

     

     

    工具を使うことは、腕が鈍るような気がして極力手作業でやろうと

    します。けど工期や効率どうこう考えると道具に頼らなければいけないことがしばしば。

    よく葛藤します。

    便利になった分どこかでやっておかないと身にならないので

    日々の鍛錬は怠らないようにしています。

     

    さて1000枚の化粧板は残り500枚ぐらいです。

    ※落下防止対策は万全で行なっています。

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    Profile | 大工


    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

 
大工の日々―平成建設職人集団
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