こんにちは 大工工事部の平松です。
先日、静岡で行われていた「技能グランプリ」の見学に行ってきました。
日本の技術が集合したようなイベントで、どこの職種も気になるような内容の大会でした。
建具の課題です。ものすごく難しそう・・・
大工としては建築大工の所がやはり一番気になります。
全国から集まった大工の猛者達を目の前に、仕事の進め方や道具など食い入るように見てました。
課題は一級技能士の課題のさらに上のレベルというような内容でした。
ベテランばかりかと思いきや、自分と同じくらいかもう少し若いような職人さんが多かったような気がしました。
同年代のハイレベルな大工姿に、良い影響受けてきました!!
さて古材の現場は、天候にも恵まれてほぼ手を止める事なく大屋根までまとまりました。
現在は沼津で原田君と窓周りの部材を加工しています。一人じゃとても終わりそうもなかったので、頼もしい助っ人が来てくれて助かりました。
シェフのいない鎌倉寮がどうなっているのかやや心配です(笑)
少しさかのぼりますが、破風の後は広小舞~淀のあたりを取り付けていました。
博康さんも書いてくれていましたが、破風の拝みの所は空かせていますから、登り淀もその分空かせました。
つける仕事には慣れていますが、木の動きを予測して空かすというのは難しい仕事でした。
周りの部材は広小舞、淀、二重淀と三枚重なってくるのですが、今回角の部分は留めでということになりました。
木の癖にもよりますが、45°に切って取り付けるだけでは空いてくるなと思い、工夫をすることにしました。
手間をかければ色々な手段も思いつきますが、なるべく手間のかからないようないい方法はないかと模索しました。
厚木のリーダーに教えてもらいました。波釘という物です。(現場の写真撮り忘れたので木っ端に打ってみました)
打ち込むのに少しコツがありますが、割れにくく、留めの先端近くまで効かすことが可能だと思います。
そして、博康さんが探してくれた剣山のような金物も使ってみました。
かなりの数の刃が出ているので、ちょっとのことでは動かないような力強さを感じました。
自分は50と90の釘をペンチで曲げて鎹(かすがい)を作ってみました。
コの字の下の方を少し広げるようにして打ち込むと、2本の部材が引き寄せられるようについてきます。
鎹は今でも新築現場で構造金物として使われている金物です。シンプルな作りというのもあり、かなり古くから使われている金物だと思います。
構造計算的には弱い金物だと言われていますが、リフォームの現場をいくつも見てきた中で鎹という金物は強いという感覚を持っています。
どれが正解かなんて何年も経たないとわからないことですが、様々な手段があるということは大工としての強みにもなります。
うちの会社は100人も大工さんがいるんで、一つの問いにたくさんの答えが返ってきます。とてもありがたい環境です。
寒さのあまりパカッといってしまいました。
ここにもにも鎹を打ちたい(笑) 痛くないやつ。