• November
    01
    2013

    サイン 内藤 ver.

    こんにちは!新人大工の内藤です。

     

    以前、昌平さんが自分自身の「サイン」について何度か記事を書いていましたが…(『サイン』 『サイン part 2 by 落合先生』)

     

    僕も大工工事部に異動して少し経った頃、

    昌平さんが色々な先輩方のサインを載せているのを見て

    「よし、自分も書いてみよう!」と思い立ち、

    それ以来、自分の道具にはできるだけサインを書くようにしています。

     

     

    一番でかでかと書いてあるのが、毎日欠かさずお世話になっている箒とちりとりです。

    形としては「内」と「藤」の字を少しだけ組み合わせた至って単純なものなのですが、

    ただ単に「内藤」と書くよりはアイコン性があって、

    掃除道具といえどもなかなか愛着が湧いてくるものです。

     

    他にも、こんな所にも書いてありました。

     

     

    ちなみにこのサインの原型は僕の兄が中学生ぐらいの頃に考案した物なのですが、

    10年以上経った今、兄への尊敬の念も込めつつ使わせてもらっています!

     

    …でも、ただ兄が考えたサインを使っているだけなのも芸がないので、

    先日、自分の下の名前の分も考えてみました。

     

    …なかなかいい感じ!(笑)

    今度、自分の道具にも書いてみようと思います。

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  • October
    19
    2013

    「すきです!」

    こんにちは!新人大工の内藤です。

     

    さて、突然ですが、今日は皆様にとある漫画をご紹介したいと思います。

     

     

    その名も、

     

     

    『数寄です!』

     

    です。

     

    どんな漫画かというと、『天才柳沢教授の生活』などで知られる女性漫画家の山下和美さんが、若手数寄屋建築家の蔵田徹也氏(仮名)に出会ったことをきっかけに一戸建ての数寄屋を建てる決意をし、実際に建てるまでの日々を描いたエッセイ漫画です。

     

    内容的には、これから新たに家を建てようとしている方におすすめできるのは勿論のこと、各話の最後には蔵田氏による、数寄屋や日本の伝統文化などに関するコラムが書かれていて、そうした物事に興味のある方にもぜひ読んでみて頂きたい一冊です。

     

     

     

    そして余談ですが…実はこの蔵田さん、僕の大学の研究室の先輩だったりします。

     

    蔵田さんは、一度は某大手ゼネコンの設計部に勤めながらも、数寄屋や能楽堂といった日本建築への情熱のあまり、退社、独立して設計事務所を立ち上げたという経緯をもつ方なのですが…

     

    ゼネコンやハウスメーカーでの仕事ではなく平成建設で大工になることを選んだ自分としては、勝手ながらもなんだか親近感を覚えてしまう先輩の一人です。

     

     

    また、先日、研究室関係の集まりで蔵田さんに久し振りにお会いしたときには、

    「僕のところも設計士は足りてるんだけど、施工する職人さんがなかなか見つからなくてね~… いつか、内藤君のところと仕事できたりとかしたら面白そうだね!」

    といった、なんとも嬉しい言葉をいただいて、

    「こちらこそ、ぜひ一緒に仕事してみたいです!!」と思わず即答してしまいました。

     

    いつの日か、蔵田さんと一緒に本格的な数寄屋を建てられるような時が来るまでに、しっかり技術を身につけていきたいと思います!

     

    『数寄です!』の中に出てくる蔵田さんは、普段はとても温厚で気さくな方ですが、数寄屋に対するその情熱の持ちようは、紛うかたなき「職人」の姿です!

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  • October
    05
    2013

    文化財の宿

    こんにちは!新人大工の内藤です。

     

     

    先月の連休のとき、実家の両親が修善寺に一泊しに行くというので、途中で合流して同行することになりました。

     

    宿泊先は、明治5年創業で修善寺の老舗旅館の一つとして知られる「新井旅館」という所だったのですが、この新井旅館、館内の15棟もの建造物が登録有形文化財であるというだけあって、自分のような古建築好きには非常に楽しめる旅館でした!

     

    玄関からロビーを抜けると、池に面した縁となっている廊下があったり、

     

     

    奥へ行くと、さらに大きな池の上に客室がせり出して作られていたりと、館内どこを見ても風情が満点です。

     

     

    ちなみに、上のほうの写真にも写っている、明治32年に作られたという、棟と棟とをつなぐ「渡りの橋」。

     

    周りの自然や地形の都合上、手前と奥とで勾配の異なる太鼓橋となっているのですが、床から欄干までの高さを手前から奥へ行くにつれて徐々に変えていくことにより、視覚的に急勾配を感じさせないように作られているそうで、100年前の大工のそうした心配りにも感心するばかりです。

     

    また、「天平風呂」と名づけられた大浴場は、法隆寺の食堂(じきどう)を模して昭和9年に作られたものだそうで、まるで寺院建築の中にいるかのような荘厳な雰囲気の中で温泉につかることができます。

    柱や梁は台湾から檜の巨大な芯去り材を運び込み、柱の根元に据えられた石は20人がかりで1日数十cmずつ動かしてようやく運び入れ、浴槽の縁の岩はもともとこの場にあった岩を削って形作ったものだそうです。

     

    こうした、自然を見事に取り入れて大々的に作り上げる木造の日本建築というのは、現在では様々な法律の規制によって、新たに建築することはほぼ不可能な状況ですが、そうした中、せめていま残っている歴史的価値のある建物だけでも文化財として保護していくのは、非常に大切なことだと思います。

     

    また、文化財というと、国宝や重要文化財といったメジャー級なものばかりが注目されがちですが、新井旅館のように、ただ建物を保護するのみならず、その建物を実際に使って、活用しながら残していく登録有形文化財の姿というのもなかなか素敵なものです。

     

     

    みなさんも是非、身近にある文化財建造物に少し足を運んでみて、その建物がもつ歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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  • September
    21
    2013

    必殺?仕上人

    こんばんは!新人大工の内藤です!

     

    僕はここ暫くの間、現場の作業から少し離れて、現場で使う造作材を会社で加工する仕事をしていました。

    ということで今回は、会社の加工場での仕事について少しご紹介したいと思います!

     

    加工場には様々な加工用の機械がありますが、ここ最近、僕が最もお世話になった機械がこちら。

    超仕上げかんな盤、通称「超仕上げ」です。

     

    どんな機械かというと、木材の表面を薄く削り取ってツルツルに仕上げる、いわば鉋(かんな)の仕事を手早くやってくれる優れものです!

     

    …というと、「ええ~、大工なのに手道具じゃなくて機械使って仕上げるの~?」という耳が痛くなりそうなご指摘をいただくかも知れませんが…

    やはり、限られた予算、限られた時間で数多くの造作材を加工するとなると、今やこういった加工機の存在は欠かせないものとなっています。

     

    もちろん、本当に大事な化粧部材などは、確かな腕をもった先輩大工が手鉋で、機械以上に美しく仕上げたりもします!(僕はまだまだ未熟なのでその域には達していませんが(汗))

    そういった、「何を重視して、どういう方法で作り上げるか」という事は、現代の家づくりにおいて常に考慮すべき事柄の一つではないかと思います。

     

     

    さて、話をもとに戻しつつ、さらに弁明しようというわけではないのですが…

    この超仕上げ、思っていた以上に難しいんです!(笑)

     

    木材に鉋をかける際には、刃の出を微細に調整して、できるだけ均等にかつ適度な薄さで削れるように心掛けねばなりませんが、それはこの超仕上げとて変わりません。

    機械はあくまで自動で送材してくれるだけなので、刃の出は己の目と指先と直感をフルに働かせて調整しないといけないのです。

    これがなかなか難しくて、初めて刃の調整に挑んだときは、自分の納得いく削り具合にするまで1時間近くも掛かってしまいました…

     

    機械を使っても必ずしも楽に綺麗に仕上がるわけではないということを、身をもって学んだ気がします。

     

     

    また、刃先の切れが悪くなってきたら、これまた研磨機という機械を使って刃を研ぎ直すのですが、これも砥石と刃の当たり具合を手動で調節しなくてはならないので、なかなか気が抜けません。

     

    これら二つの機械の間をひたすら行き来するような日々を一週間ほど送っていて、通りがかった先輩からは「そろそろ飽きてきてんじゃない?」と笑いながら声を掛けていただいたりもしましたが…

    最初のうちは慣れない機械の操作に手こずったりして苦戦しながらも、次第にコツをつかみ始めたり、「こうしたらもっと綺麗に仕上がるかなー」なんて考えながらやっていると、同じ作業の日々でもなかなか楽しく過ごせたりします。

     

    また、自分で研磨機を使って研いだ刃を、自分で超仕上げかんな盤にセットして上手い具合に調整して、材が綺麗に仕上がったときには、達成感もなかなかのものです。

     

     

    今はまだ機械の力を借りていますが、いつかは機械のみならず手鉋も使いこなせる、立派な「仕上人」になれる日を目指して頑張りたいと思います!

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  • September
    07
    2013

    名札製作リベンジ!

    こんばんは!新人大工の内藤です。

     

    今回は以前から予告していた、木製名札製作リベンジの模様をお見せしたいと思います。 以前の記事はこちらをご覧ください。

     

    まず、使う材料と道具はこちら。

    この名札作りは仕事と関係なく趣味でやっている事もあり、いかに「安く」「手軽に」それでいて「見栄えよく」作れるかがポイントの一つです。

    ということで、道具や材料もホームセンターなどで簡単に手に入るものばかり。

    杉板も、端材ならば1枚70円というお手頃価格です!

     

    さて、名札作りで最も重要となる、文字を入れる作業。

    完成した名札を見た社員の方々からは「これどうやって文字入れたの?」と口々に聞かれますが、

    …実は、ただの手書きです。(笑)

    以下、その手順をご紹介します!

     

    まずは、下書きとなるデザインを木の表面に転写します。

    転写には、カーボン紙を使ってなぞる方法などもあるようですが、今回はインターネットで調べて知った、「トナー式コピー機で印刷したものをマニキュア除光液で色移りさせる」という方法を試してみました。

    あらかじめ反転して印刷したデザインを木に仮止めして、除光液をたっぷり染み込ませて叩いたり擦ったりすると…

    このように、少しかすれた感じでデザインが転写されます。

     

    これはこれでアンティーク雑貨などに似合いそうな転写具合なのですが、名札の文字がかすれているわけにもいかないので、ここに色を上塗りしていきます。

     

    この細かいデザインに、なるべく滲ませずに上手く色をつけるには何がいいかな~、と身近なものを色々と試してみた結果…

     

    意外にも、ジェルインクの4色ボールペンがとてもいい働きをしてくれました!

    まさに「安くてお手軽」です。

     

    あとは必要な寸法に木取った後、表面をニスで仕上げて、裏に名札用クリップを接着して完成です!

    鋸が曲がって文字が若干右上がりになってしまいましたが、ご愛嬌ということで…(汗)

     

    前回製作したものとの比較がこちら。前回とは木目の向きを変えて、幅・厚さともに少しスリムになっています。

    両方とも同じ一枚の杉板から作ったものですが、木取りの場所や方向によって完成品の見た目が大きく変わるのも、木材加工の面白い所です。

     

    完成品を胸につけるとこんな感じです。心なしか仕事に対するモチベーションも少し上がる気がします!

    もし現場などでこの名札をつけた大工を見かけたら、ぜひお気軽に声を掛けてくださいね!

     

    それでは皆様、よい週末を!

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