• October
    31
    2016

    引きどっこ

     

     

    こんにちは 大工工事部の平松です。

     

     

     

    先日、仮組みを見学したいとの問合わせがあったみたいですが、ブログと現実とでは少し時間差が生じています。

     

     

    申し訳ありませんがもう仮組みの方は解体まで完了しております。

     

     

    反響を頂けてとても嬉しいです。そろそろ鎌倉編にも突入していきますんで (パソコンやれる環境があれば・・・) そちらの方でよろしくお願いします!

     

     

     

     

     

     

    さて、今回は破風板の所を詳しくいきたいと思っています。

     

     

    前にも少し載せたような気がしますが、今回破風板は「引きどっこ」という伝統技法で納めることになりました。

     

     

     

     

     

     

    母屋の小口にはすべてこのような仕事をしてあります。

     

     

     

     

     

     

    ここにこのような部材を入れて、蟻と車知で引っ張り合うということです。

     

     

     

     

     

     

    最後に引きどっこの上を埋木すればもうズレることはないということになります。

     

     

     

    釘や金物を使わない、昔から伝わる技法です。今回僕は初めて目の当たりにさせてもらいました。

     

     

     

    一見面倒そうにも見えますが、やってみてかなり調子のよいやり方だと感じました。

     

     

     

     

     

     

    拝み部分の棟木小口は杓子枘(しゃくしほぞ)という斜めの枘をつけています。

     

     

     

    偶然杓子枘は6ヶ所とも僕の手で刻んでたので、破風の取り付け時は緊張してました。

     

     

     

    実際は、枘に角度をつけるだけでこんなにしっかりとするのかというくらいに固定されていました。(ホッとしました・・・)

     

     

     

    現場での納めやすさと安心感。伝えるべき技術だと思いました。やはり車知詮の引っ張り能力は半端じゃないです!

     

     

     

     

     

     

    写真では分かりにくですが、拝みのところはわざと五厘ほど空かせています。瓦の重みで下がってきて、後々にくっつくという想定です。

     

     

     

    わざと空かせておくというのはなかなか勇気のいる仕事の仕方だと思いますが、それも先人から伝わる一つの技術なんですね。

     

     

     

     

     

     

     

    大工がハマるような箇所ではありましたが、難なく納まってしまいました。小川さんの引き出し多いな~、ありがたく頂きます!

     

     

     

     

     

     

     

    快晴の日に最高の形でまとまりました。 最後に主となったメンバーで記念写真です!(自分はこ日幼稚園の運動会でした・・・残念!)

     

     

     

    左から千秋さん、博康さん、瀧本、小川さん、渡邉さん、川口さん、久さん、です。あれ、唐澤さんもいない・・・

     

     

     

    おまけ     

     

     

     

    会社の先輩達と一緒に仕事するという機会もなかなか無いので今回はそういった意味でもいい経験させてもらっています。

     

     

    ここまでやればようやく一段落です。あとは丁寧にバラして、もうひと仕事(壁のシャクリ加工)して現場に持っていく準備です。

     

     

     

     

     

     

     

    付け加えておきますが、破風板にはさらに「懸魚」(げぎょ)が取り付けられます。お寺とかによくあるアレですね。

     

     

     

     

     

     

     

    今回は取り付けるばっかりまで段取りして、その後彫師の職人さんに渡すという流れのようです。

     

     

     

    実際に取り付くのは最後の最後になるかと思います。

     

     

     

     

     

     

     

    渡邉さんがこのあたりをまとめていってくれました。最後までかっこいい大工姿を見せつけてくれました!

     

     

     

    長期に渡りベテラン大工さん達から多くの事を学びました。大工技術だけでなく、何気ない会話からも豊富な知識や経験を感じました。

     

     

     

    得たことをまた次の世代に伝えていけるように・・・これからも頑張ります!

     

     

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    Profile | 大工


    平松 哲朗(ひらまつ てつろう)

    一級建築大工技能士

 
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