シャリシャリシャリ
シャリシャリ
スーーー
シャリシャリシャリ
スーーー
シャリシャリシャリ
この小気味良い音の正体は
原田シェフでした
原田さん曰く「包丁の切れ味で食材の味が変わる」
みんなが休憩する中、汗だくになって包丁を研いでいました
そのストイックな姿勢に敬意を表し、ぼくは原田さんのことを
「ZAP兄さん」
と、ひそかに心の中で呼んでいます
瀧本です
鎌倉では気温の上昇とともに害虫の出現率も上昇してきました
蜘蛛
蛾
巨大ミミズ
ゲジゲジ
ムカデ
スズメバチ
青大将
大量のGOKIBURI
etc・・・
始めの頃はキャーキャー悲鳴を上げていた我々ですが、
最近ではちょっとのことではビビらなくなってきました
「慣れ」とは怖ろしいものです
ぼくたちの砥場はこんな感じです(寮の裏)
夜になると
明かりをめがけて色んな虫さんたちが集まってきます
虫が得意じゃない平松さんは一足先に砥場を現場に移しました
料理でも大工仕事でも刃物の切れ味が、仕事の出来栄えや効率に影響を与えます
そこで刃物を「研ぐ」のですが、そもそもなぜ刃物が切れるのか不思議ですね
キーワードは「圧力」と「摩擦」です
鶏肉を切るときに、包丁をグッと押し付けても切れますが、横にスっと滑らすことで
より楽に切断することができます
刃先にかかる圧力と、物と刃の間に発生する摩擦によって分子間の結合を切ります
そうすることによって物体を二つに分けることができます
①刃物を押し当てて切る場合について考えます
たとえば鑿の刃先の厚みが0.01mm、刃幅が3cmのものに100gの力を加えます
刃先にかかる圧力はおよそ33気圧
この圧力は手のひらの面積を約100平方cmとしたときに、3.3トンのおもりが乗るのと同じ圧力です
これだけの力が働くと刃が当たっている部分が凹みます
すると物体を両側に引っ張る力が生じ、分子間の結合が耐え切れなくなり物体が切れます
②刃物を滑らせて切る場合について考えます
物体に刃を当てると、当たった瞬間に刃の分子と物体の分子の間に結合ができます
刃を滑らせると物体の分子が刃の分子に引きずられて動きます
こうして物体の表面の分子が削り取られます
また、このとき摩擦熱が発生します
すると、刃が当たっている部分の分子の熱運動が激しくなり結合力が弱まり削り取りやすくなります
どのくらいの熱が発生しているか気になりますね
この計算を正確にするのは困難なのでだいたいの値を計算します
1kgの力を加え刃先を素早く滑らせると、刃があったている部分の温度が
約250度上昇します
(詳しい計算方法を知りたい方は参考書を買ってみてください)
どうりで刃物でケガをしたときに「痛い」よりも先に「熱い」がくるわけですね
これで少し刃物が切れる理由がわかりました
あとは「どうやって研ぐか」ですね
それはお近くの先輩大工さんを捕まえて聞いてみましょう
そうして研いだ刃物でひたすら埋木をやらせてもらっています
あ
ついに、憧れの埋木レンジャー入隊です(詳しくは平松ブログにて)
振り返ると
チーム「付けバリスト」結成されていました
つまり
ぼくはひとり埋木レンジャーです
いや、
1人じゃない
ここにも埋木レンジャーが
タッキー&つばさ
ではなく
タッキー&シンヤ
で頑張っていこうと思いました
おまけ:鎌倉の夜