• October
    16
    2017

    蔵階段

    こんにちは、大工工事部四課の石川です。

     

    最近、季節の変わり目で暑かったり寒かったりして、着ていく服を迷ってしまいますね。

     

    鎌倉の現場に来てから10か月目、今年の冬も鎌倉で迎えることになりそうです。

     

     

    おや!

     

    蔵の外壁に変化があるのがわかりますか?

     

    そうです。外壁にモルタルが塗られました。

     

    いよいよ、左官工事の始まりです。

     

     

    しかし、モルタルを塗ってすぐ漆喰というわけではありません。

     

    下塗り、中塗り、上塗りと3回モルタルを塗っていき、その上に漆喰を塗っていきます。

     

     

    なので、ツブはまだ平らでした。

     

    どの段階で形成されていくのか、今後もしっかりチェックしていきます。

     

     

    前回の原田君のブログで紹介がありましたが、本屋では階段取り付けが進んでいますね。

     

    もちろん、蔵にも階段があります。

     

     

    ササラが4本と

     

     

    束柱と段板が搬入されました。

     

    あれ?本屋よりササラの数が多い?

     

    というのも、蔵の階段は中間に踊り場があるⅬ字型の階段なので、上半分と下半分で2本ずつ、計4本になるわけです。

     

    まずは1本目。

     

     

    3本の柱をササラの形に欠きこんで、

     

     

    ドン!

     

    四角く製材してあったので、難なく納めることができました。

     

     

    2本目はかなりの重量級!!

     

    材料の幅が13センチなので、普通の住宅だと、梁に使われるほどの大きさです。

     

    まわりの梁と比べても、大きいのがわかりますよね。

     

    さらに、梁、柱、差し鴨居が密集しているこの部分に取り付きます。

     

     

    でっこみ引っ込みを確認し、それぞれの部材を刻んでいきます。

     

    材幅が大きいので、付けたり外したりを繰り返し、

     

     

    ササラの裏側も壁に合わせて刻み、

     

     

    ドドーン!!

     

    この存在感は目を見張りますね。

     

     

    続いて3本目。

     

    このぐにゃっと曲がった梁に取り付きます。

     

    梁もササラも角材ではないので、取り合いがどうなるのか想像もつきませんでした。

     

     

    そんな時は、「ひかり板」の出番です。

     

    沼津編ブログの墨付けの時に出てきた、形を写し取って取り合う材に墨をするための板です。

     

    まずはササラの形を写し取り、

     

     

    梁に墨を出していきます。

     

    斜めに取り合うため、斜めからのぞき込んで墨を写します。

     

     

    何とか刻み終えて、

     

     

    ドドドーン!!!

     

     

    斜めに取り合うところもぴったり納めることができました。

     

    今回はササラ3本目まで、続きは次回に紹介したいと思います。

     

     

    そして、

     

     

    久々の助っ人、日紫喜君です。

     

    蔵の階段で使うササラの表面を磨いてくれています。

     

    ササラの取り付けでいっぱいいっぱいになっていたので本当に助かりました。

     

    外部も内部も、協力業者さんの出入りが増えてきて、だいぶ現場が賑やかになってきました。

     

    今年の冬も楽しくなりそうですね。

     

     

     

     

     

     

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    Profile | 大工


    石川 博康(いしかわ ひろやす)

    一級建築大工技能士

  • October
    06
    2017

    鎌倉だより⑩

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    光陰矢の如し

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    1年が

     

     

     

     

     

     

     

    ひと月が

     

     

     

     

     

     

     

    1週間が

     

     

     

     

     

     

     

    1日が瞬く間に過ぎていきます

     

     

     

     

     

     

     

    写真はちょうど1年前の本社加工場です

     

    主屋吹抜け周りの仮組の写真

     

     

     

    写真の10本ほどの柱を建てるのに3日がかりだったことを

    今でも昨日のように思い出します。

     

     

     

     

     

    瀧本です!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    鎌倉入りしてから早くも10ヶ月が経ち、ようやく外周りが決まり始めました!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    掃き出し窓です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    付け柱、付け梁が入りのっぺりしていた壁にハッキリと輪郭が出てきました

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    蔵にも左官が入りグッと重厚感が増したように思います

    まだあと3度も上塗りするそうです!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    下見板です

    これがなかなか、一筋縄では行かないようで

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    玄関の持ち送りです

     

     

     

     

     

     

     

    玄関です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    応接室です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    ササラです

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    段板です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    和室です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    広縁です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    吹き抜けの卍も塗装が入りました

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    茶の間です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    渡り廊下です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    蔵の階段のササラです

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    最近沼津に帰るといろんな人からブログ読んでるよ!

    と声をかけてもらいます。

     

    ありがたいことです!!

     

     

     

     

    そして、もう1つよく言われるのは

     

    「いつが見どころ?」

     

    ・・・

     

    「あぁ、いつでも見どころか!」

     

     

     

    みなさんT様邸に興味津々

     

     

    しかし、沼津ー鎌倉の距離はなかなか遠いようで・・・

    みなさんなかなか見学に来れないようで・・・

     

     

     

    が、しかし、気になるところがあれば、ぜひ一度鎌倉で実物をご覧になってください!

     

     

     

    T様邸は刻一刻と変化しています

     

     

     

     

     

    ではでは

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    おまけ:削ろう会

     

     

     

     

     

     

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  • October
    02
    2017

    中学校に行った理由

     

    やっとこさ涼しくなってきましたね(*'▽')

     

     

    というより通勤時は「寒いわっ!」って

     

    ツッコミを入れたくなるぐらいです

     

     

     

    改めましてこんにちは!

     

     

    大工工事部のながともです。

     

     

     

    前回お話しした加工場にいた理由の答え合わせですが・・・

     

     

     

     

     

     

     

     

    お家になります^^

     

    ペン立てにもなります( *´艸`)

     

     

    お子さんにそれぞれペンやシール、

     

    スタンプでデコレーションしてお持ち帰りいただくという

     

    ワークショップの材料加工のお手伝いをさせていただいておりました。

     

    それぞれ満足したお家が出来ましたでしょうかね?

     

     

     

     

     

     

     

    はてさて、もう一つ答え合わせですが・・・

     

     

     

     

    先日県内のとある中学校に赴きました。

     

     

     

     

     

     

     

    最初のオリエンテーションの模様です。

     

     

    黒板の前にかけているのは

     

    アパレル関係、飲食関係、すし職人さん、介護福祉士さん、

    フリーアナウンサーさん

     

    そして私(大工(今は事務業務が多く恐縮ですが;)

     

     

     

    何かといいますと・・・?

     

     

    「職業講話」でございます。

     

     

     

    中学生の皆さんに、

     

    「仕事をする意義」や

     

    「それぞれの仕事のやりがい」などを

     

    各業種の人から話を聞いてもらい

     

    仕事や将来のイメージをつかんでもらう

     

    興味を持ってもらうという授業の一環です。 

     

     

    というとお堅い感じがするので

     

     

    「大工さんっていう仕事は楽しいよ!」

     

     

    というお話をしに行きました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    前半戦40分、後半戦40分と延長戦無しの一本勝負です。

     

     

    (勝ち負けはありませんが;)

     

     

    前半も後半も10名以上の生徒さんが来てくれました。

     

     

     

    彼らなりに大工さんのイメージはあると思うのですが

     

     

    それをいい意味で覆せたらと

     

     

    必死でお話しさせていただきました。

     

     

    多少なりとも大工さんの楽しさが伝わればいいのですが。。。

     

     

    私と同じく職業講話に参加なさっていた他職種の方ともお話しできて

     

     

    今後も何かしらご縁があると嬉しいものです( *´艸`)

     

     

     

     

    これからも将来の大工人口増加の為にも

     

    微力ながらもこうしてフットワーク軽く行けたらなと思います。

     

     

    何よりも話をすることが楽しかったという充実感に浸りつつ・・。

     

     

    明日も事務所に行ってきます(`・ω・´)ゞ

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  • September
    26
    2017

    懸魚が付く家

    年齢公表されてしまいました。

    30歳なりたての渡邊です。

     

    遡ること数日前

     

     

    厳重に梱包された大量のパーツたち

     

    富山県から井波彫りの懸魚が届きました。

     

    早速どんな感じになるかあてがってみます。

     

     

    足場に上るのは、37歳の博康さんと34歳の平松さんと年上だけど後輩31歳のタッキー。

     

    32歳の原田さんと私は地上から観察。もちろん棟梁小川さんも。

     

    存在感抜群です!

     

    真ん中の穴には六葉が取りつきます。

     

    これ。今回はあてがうだけなので取り付けません。

     

    実際に取り付けるのは、外壁工事が完全終了した後です。

     

    なので2か月後ぐらいでしょうか。お楽しみに。

     

    ちなみに神棚も井波彫り。

     

    ちらっとだけ。大変高価なもので触るのすらおっかないです。

     

    ここ最近の仕事は根太祭り。

     

    前々回にふわっと平松さんに載せられた根太は、

    ささっと終われないものでした。

     

     

    ぼこぼこ隆起している梁を断面欠損にならぬように最低限だけいじめます。

     

    根太のスパンが大きいところには、転ばし根太を敷き補強します。

     

    場所場所レベルが若干違うので欠きこみを変えて真っ平らの面を作っていきました。

     

     

    やっと根太が転ばせます。

     

     

    面もバチッと決まりました。これで長い長いぼこぼこの床が平らになりました。

     

     

    いい感じです。

     

    根太完了すぐさま絶妙のタイミングで床板が搬入されました。

    これすべて2階分です。量がやばい。

     

    しかしすぐには貼れません。

    電気配線と断熱材を終わらせてからなので、その間は梱包を開け、鎌倉の空気に慣れさせます。

     

     

     

    右奥に見える白い塊。。。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    カチ盛りの断熱材。2階床分だけでこの量です。

    量がやばい。。。

    入れるのも一苦戦しそうな気が。。。。

     

    しかし、この作業を終えればいよいよ床貼です!

    ということは久しく出てきてないあの秘密兵器の登場です。

     

    皆で際カッターと入隅カッター使ってみての感想が言えたらと思います。
    お楽しみに。

     

     

     

     

     

     

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    渡邊 唯希(わたなべゆいき)

    一級建築大工技能士  二級建築士

  • September
    21
    2017

    階段製作委員会~南のドラゴンを討伐せよ~

    夏も過ぎて過ごしやすい日がぼちぼち出てきましたね

     

     

     

     

    夏は好きです、お久しぶりの原田です

     

     

     

     

    今年の夏は沼津の海でサップの大会が初開催されたので同僚達と出てきました

     

     

     

     

     

     

     

     

    4人乗りのこいつの呼び名は

     

     

     

     

    ドラゴンサップ

     

     

     

     

    結果は並み居る強豪がひしめく20チーム中5位

     

     

     

     

    練習時間数分にしては大健闘でした!!!

     

     

     

     

    そして時は遡る事3か月前、、、ここにもいた

     

     

     

     

    DRAGON!!!

     

     

     

     

     

     

     

     

    左が南、右が北のササラ桁

     

     

     

     

    階段はササラも段板も全てケヤキを使用します、全て古材のストリップ階段です

     

     

     

     

    ササラに使用されているのは差し鴨居だったようです

     

     

     

     

     

     

     

     

    この両サイドに2本のササラが付くのです

     

     

     

     

     

     

     

     

    南の梁から、反りやねじれがあるのでまずは基準の墨を決めます

     

     

     

     

     

     

     

     

    両木口に木をあてがって睨む

     

     

     

     

     

     

     

     

    こんなもんかな?このハイテクな時代においてなんてアナログなんだろう

     

     

     

     

    と思ったのは私だけではないはず

     

     

     

     

    ここで全てが決まってしまうと言っても過言ではないので慎重に見極めます

     

     

     

     

    確認のために型板を作ります

     

     

     

     

     

     

     

     

    色々と取り合うので結構正確に作りましょう

     

     

     

     

     

     

     

     

    写真だと短く見えてましたが5m近くにあります、、、長い、、、

     

     

     

     

    これに段板の型板を付けて当てがってみます

     

     

     

     

     

     

     

     

    下の方は絡みが少なく逃げ場所が多いようだ

     

     

     

     

     

     

     

     

    上の方は、、、

     

     

     

     

    通し柱に刺さり→2階床梁→差し梁→柱、、、

     

     

     

     

    目を背けたくなる現実がそこにはあった

     

     

     

     

    南の全体像はこんな感じ

     

     

     

     

     

     

     

     

    北のササラも入れてみて

     

     

     

     

     

     

     

     

    こうなる予定

     

     

     

     

     

     

     

     

    イメージできたら本番行きます

     

     

     

     

    ちなみに型板はあくまでバランスを見るためなのでこのまま写すことはできないのであった

     

     

     

     

     

     

     

     

    必要な墨だけ付け、いざ!!!!!!!!

     

     

     

     

     

     

     

     

    100キロ以上ありますからね、手じゃ上がりません

     

     

     

     

     

     

     

     

    形を梁と柱に写します

     

     

     

     

    2階床梁(熱中して途中撮るのを忘れました)

     

     

     

     

     

     

     

     

    2階床梁は栗の木でとっても堅くノミが悲鳴を上げてました

     

     

     

     

    すぐさま差し梁へ

     

     

     

     

     

     

     

     

    空中の長時間丸鋸には二の腕の引き締め効果があるようです、だいぶプルプルします

     

     

     

     

    綺麗にしたら完成

     

     

     

     

     

     

     

     

    基準墨をレーザーで立ち上げ

     

     

     

     

     

     

     

     

    深さを確認

     

     

     

     

     

     

     

     

    かんなで微調整して真っ直ぐになったら完成

     

     

     

     

     

     

     

     

    ササラの曲がっている部分との取り合いは綺麗なアーチ

     

     

     

     

     

     

     

     

    上手く入ってくれるかドキドキします

     

     

     

     

    次に柱ですが、側面に達筆な文字が

     

     

     

     

     

     

     

     

    明治40年に使われた柱をありがたく刻ませて頂きました

     

     

     

     

     

     

     

     

    一番下はホゾを作って

     

     

     

     

     

     

     

     

    土台はホゾ穴を掘ります

     

     

     

     

     

     

     

     

    そして今回一番大変だったのが

     

     

     

     

     

     

     

     

    この一際深い欠き込み、これは柱との取り合い部の加工ですが

     

     

     

     

    ササラを横から見ると

     

     

     

     

     

     

     

     

    真ん中が盛り上がっているのがわかりますかね?

     

     

     

     

    実は両端から20ミリも反っています

     

     

     

     

    このまま付けると納まらない場所が出てきます

     

     

     

     

    そして小川さんから恐怖の一言が、、、

     

     

     

     

    『真ん中の柱で突っ張って真っ直ぐになんないかな?』

    ・・

    ・・・

    ・・・・

    ・・・・・

    (正気ですか)と心の中で言いました。すいません

     

     

     

     

    ただ厚さが80ミリ、幅が400ミリ以上、おまけにケヤキです

     

     

     

     

    みんな思うと思います

     

     

     

     

    ただ納めるためには曲げなくてはいけないのも事実なのである

     

     

     

     

    なのでギリギリまでササラをいじめさせてもらいました

     

     

     

     

    ただこれで曲がるかどうかは全くわかりませんでした

     

     

     

     

    ちなみに人が1人乗ったくらいでは微動だにしなかった

     

     

     

     

    そんなこんなで加工が全て終わったのではめてみることに

     

     

     

     

     

     

     

     

    最上部、通し柱にドン

     

     

     

     

     

     

     

     

    栗の2階床梁にドン

     

     

     

     

     

     

     

     

    差し梁にドン

     

     

     

     

     

     

     

     

    明治40年柱にドン

     

     

     

     

     

     

     

     

    そして

     

     

     

     

     

     

     

     

    入りました!!!!!

     

     

     

     

    問題はここから

     

     

     

     

    そう、ササラが曲がって真っ直ぐになっているのか?

     

     

     

     

     

     

     

     

    真っ直ぐになりました(喜)

     

     

     

     

    こうして南のドラゴンを1週間かかって討伐、、、

     

     

     

     

    普段の階段なら2つは既にできている、、、

     

     

     

     

    こちらはまだ北のササラと段板が残っている状況、、、

     

     

     

     

    長くなったので北のササラは次回です

     

     

     

     

    次はこの特大な象梁、通称『マンモス』が相手です

     

     

     

     

     

     

     

     

    ~~~今週の平松さんのコーナー~~~

     

     

     

     

     

     

     

     

    このくぼみが腰にベストフィットするんだよと車でお昼寝がブーム

     

     

     

     

     

     

     

     

    暑くないのに朝一で送風機に当たるという発想

     

     

     

     

    おしまい

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    Profile | 大工


    原田 宗広(はらだ むねひろ)

    一級建築大工技能士|二級建築士

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