ご無沙汰してます。 大工工事部の平松です。
6月も後半、鎌倉の海辺では海の家の建設が着々と進んでいます。
週末、沼津への帰りは海沿いの道が混んできました。
着々と夏が近づいてきてますね!
原田ブログの最後の窓造作に補足して。
一筋の敷居は福井県の美山杉(みやますぎ)の柾目。掃き出しの窓の材料だけは福井の材木屋さんから別便で搬入されてきました。
見たことないようなきれいな赤みを帯びていました。マグロで言うと大トロでしょうね。とても刻みやすかった感じがします。
原田の隣でやってて、ほぼ同じ仕事なのにやり方は色々と違っていました。大工って面白い生き物だなと思いました(笑)
色んなやり方を見られてとても刺激を受けます。
先日嬉しいことがあったので、今回はその模様をお伝えしたいと思います。
社内コンペで、T様邸の「卍組化粧梁」がデザイン大賞を頂きました!
吹き抜け部にどーんとある、これです!
さかのぼること9か月前。よく振り返ると、まずは博康さんが手を出しました。
4本中1本が表面の腐食が酷く、悪いところを斫る作業から始まりました。
削っては乾かし、削っては乾かし。大変な労力がかかっている一本です。
からの墨付け。
卍のすぐ上にも梁が乗ってくるので4本ともおさまる高さを決めるのはとてもシビアな事だったと思います。
タッキーの頑張っている姿を思い出しました。
梁がまわるようなイメージで墨をしたと言う小川さん。登り梁を加工場で組んでいる時に「いける!」と思ったそうです。
実際に梁がまわっているのかどうかはわからなかったですが、仕口がこうなっていたのですんなりとおさまったのは事実です。
この絡みは何人が関わったのか、多すぎて把握できてません(笑)
改めまして、このような仕事を間近で経験出来たことに感謝しています。
そういえば・・・
卍デザインで彫りを頼んでいた鑿がそろそろできるかと思っていましたが、なかなか大変なようで。
次回?載せます!!
こんにちは 大工工事部の平松です。
春も終盤ですね。暖かくなってきました。
少し前の話ですが、沼津の大工工事部はベビーラッシュでした。
加工場で仕事していた2週間程の間に、後輩の「今から病院行ってきます!」を二人も見送りました。
生き急いでる自分は、同世代ながら子供に関しては少し先輩面したりして。
子は鎹なんていう身にしみる言葉もありますが、たくさんエネルギーをもらって頑張って下さい!おめでとうございます!!
さて、鎌倉は寒さから解放されて色々な生物が出てきました。
現場も寮も山をしょっている為、日頃マンション暮らしの自分には信じられない大きさの奴らが出てきます(笑)
休憩中に手作りホイホイを作りました。端材にブチルテープを貼って、中央に魚肉ソーセージを置くだけ。1分で作れます(笑)これは寮に置きます。
まだ捕まっていませんが、これを誰がどう処分するかというのが残された大きな問題です(笑)
現場の方は・・・造作窓がまだ終わりません。
こんなメンバーだったら、いつものアルミサッシだとすぐ終わるのにな・・・なんて思ったり。
かれこれ2ヶ月以上闘っています。
開口部は室内から障子が2枚(見込み33ミリ)、ガラス戸2枚(見込み42ミリ)、網戸1枚(見込み33ミリ)、格子1枚(見込み40ミリ)となっています。
よって、どの窓にも溝が6本あります。鴨居のパーツは最大4ピース!
誰がどれをやるか。こちらもなかなかの大問題ですが、こちらの問題は皆とても前向きに立ち向かってくれるので助かります。
連結の出窓は自分が担当しています。手前は玄関。奥は書斎の窓になります。外から見ると大きな窓に見えます。
連結だから二箇所分ですが、この量。 お腹いっぱいになりそう(笑)
窓なのに柱や梁がつきます。枘を抜いて、楔でグイグイと引っ張ってつけてるところ。
手前は原田作です。これも出窓といってもおかしくないですよね(笑)
柱の下には古材の持ち送り部材も取り付ける予定です。
窓がついてきたので、外部の壁の下地も始まりました!
おやおや、またおじさんが増えましたね。
同期のたっちゃんこと、立木君です!
僕は個性豊かな同期に恵まれていますが、その中でも異才を放つ男です(笑)
賑やかになってきました。タッキーズカフェも毎日満席です。
どうぞお立ち寄り下さい(笑)
こんにちは。大工工事部の平松です。
四月になりましたね。新生活を始める方も多いかと思います。
ちょっと前ですが自分も少し変化が。ついに、スマホデビューしました!
ブログなんて書いてるんで勘違いされがちですが、かなりアナログ人間だと思います。
というか苦手なんでしょうね。嫁さんと間違えて現場の皆にラインしたり、色々とやらかしてます。
あまり人に迷惑かけないように、時代に食いついてやろうと思っています。
鎌倉入りして、もう丸4カ月。5か月目がスタートしました。二重生活にもだいぶ慣れてきました。
嘘です。朝起きると、ここはどこだっけ?ってなる時あります(笑)
今さらな感じがありますが、鎌倉は住みたい街ランキングにも入るくらい人気のある街で、その辺を歩いてるおばあさんからもなんか気品を感じる、とてもオシャレな街です。
先日、現場すぐ近くにある釈迦堂口切り通しの見物に行きました。
今は倒木の影響で通行止めになってましたが、外から見ても圧倒されるような歴史を感じる雰囲気でした。
鎌倉幕府の時代の名残だと思うと、すごい場所で仕事してるんだなと改めて思いました。
もちろん機械なんてない時代、これを人力でやったのかと思うとゾッとします。
さて、現場は少しずつですが、着実に進んでいます。
窓造作も慣れてきて、ペースも早くなってきました。雲の形も決まり、これから全貌があらわになるところです。
今回は窓のなんやかんやの前を少し掘り下げていこうかと。
さかのぼること、瓦上げから一週間後。推定30トンもの荷がかかるということで、重みが馴染んだタイミングで、床上1メートルの墨を各柱に出しました。(原田、唯希ペアで)
当然柱の寸面は全部違うし、面も平らでないため指矩で巻くわけにもいかず、一本の柱につき角に4ヶ所。手間は4倍!
一階が出たら、それを二階に立ち上げます。そこで初めて、窓の高さが確定しました。
その後に窓台、まぐさと呼ばれる下地を組みます。窓の通りを正確に通す為、端から端まで糸を張り下地の面を決め、下地を組みました。
そこまでいったら、柱の外側に窓の縦枠をはめる為のシャクリの加工を。この作業は主に自分が担当。
下げ振りで立ちを確認しながら。縦枠は厚みが55ミリもあります。ここでも胴縁カッターの出番が。カッター使いがかなり上達しました。
柱の面の大きさもまちまちな為、面がおさまる所でシャクリました。窓の幅、通りを決定させるシビアな仕事です。
ようやくここから杉の造作材を触っていくという流れです。道のりが長い!
地味な作業ですが、ここをしっかりすることが肝心です。仕上がりにもろに影響します。
ここまでと思いましたが、もう一つ。シャクった所に縦枠の一本目をつけたところです。
古材の柱は曲がりがあったり変形したりしているんで、この一本目の柱にあたる所を色々と細工します。
丸くとったり、斜めにしたり。こういった取り合う所は色んなパターンが来るんで面白い箇所だし、経験値になるところです。
蔵では博康さんが違う造作を始めました。
タキは何やら階段らしきものを作りだしました。
あれ、見慣れない人が…
沼津から助っ人が来ました! マッチョ系大工、内田さんです。
寮にまた1人おじさんが増えました。どうやらR30指定の寮のようですね。
ちっさいこたつにおじさん5人で豪華料理。きっと後々いい笑い話になるだろうな(笑)
こんにちは 大工工事部の平松です。
日に日に春が近づいてきましたね、鎌倉の現場は花粉がきつくて久々に春が辛いです。
先週は弟の結婚式で休みを頂いて福岡まで行ってました。
祖母が住んでいたこともあって思い入れのある土地ですが、記憶のある風景とガラッと変わっていたりしていて。
月日が経つのは早いですね。
鎌倉の現場では、くしゃみがあちこちから聞こえながらも皆で杉の窓と格闘しています。
自分も連結窓を一つ、やっつけてきました。原田ブログにもありますが、想像以上の闘いでした。
連結はさらになんやかんやが増えます(笑) 皆でゾーン(極限の集中状態)に入ってました。
一日が終わるのが早すぎて、この感覚は刻んでいた時期を思い出します。
そのまま自分は1階の窓と蔵の窓の加工へ。
2階の窓が落ち着いてきたら、原田はベランダまわり。唯希はお風呂。博康さんは蔵の鉄扉まわり。タッキーは大忙し。という風に担当箇所が徐々に出来つつあります。
気になる所が満載ですが、目の前の仕事に夢中になりすぎて見落としてしまいがちになります。
その全てを把握して指示している小川さんの頭の中はいったいどんな事になっているのでしょうか。
「俺にやらして下さい」と言う唯希に置き土産してきました。
窓の下には写真の型板のような装飾をする箇所もあるようです。
一方で、瓦もかなり葺かれました。家紋の彫られた瓦当(がとう)、カッコいい!
蔵の方はケラバの部分だけ大きな瓦当になりました。
のしや鬼瓦はまた日を改めてやるようです。瓦屋さんも言ってましたが、ここまでやるのは住宅ではなかなかないそうです。
屋根の完成形も楽しみです!!
こんにちは 大工工事部の平松です。
先日、静岡で行われていた「技能グランプリ」の見学に行ってきました。
日本の技術が集合したようなイベントで、どこの職種も気になるような内容の大会でした。
建具の課題です。ものすごく難しそう・・・
大工としては建築大工の所がやはり一番気になります。
全国から集まった大工の猛者達を目の前に、仕事の進め方や道具など食い入るように見てました。
課題は一級技能士の課題のさらに上のレベルというような内容でした。
ベテランばかりかと思いきや、自分と同じくらいかもう少し若いような職人さんが多かったような気がしました。
同年代のハイレベルな大工姿に、良い影響受けてきました!!
さて古材の現場は、天候にも恵まれてほぼ手を止める事なく大屋根までまとまりました。
現在は沼津で原田君と窓周りの部材を加工しています。一人じゃとても終わりそうもなかったので、頼もしい助っ人が来てくれて助かりました。
シェフのいない鎌倉寮がどうなっているのかやや心配です(笑)
少しさかのぼりますが、破風の後は広小舞~淀のあたりを取り付けていました。
博康さんも書いてくれていましたが、破風の拝みの所は空かせていますから、登り淀もその分空かせました。
つける仕事には慣れていますが、木の動きを予測して空かすというのは難しい仕事でした。
周りの部材は広小舞、淀、二重淀と三枚重なってくるのですが、今回角の部分は留めでということになりました。
木の癖にもよりますが、45°に切って取り付けるだけでは空いてくるなと思い、工夫をすることにしました。
手間をかければ色々な手段も思いつきますが、なるべく手間のかからないようないい方法はないかと模索しました。
厚木のリーダーに教えてもらいました。波釘という物です。(現場の写真撮り忘れたので木っ端に打ってみました)
打ち込むのに少しコツがありますが、割れにくく、留めの先端近くまで効かすことが可能だと思います。
そして、博康さんが探してくれた剣山のような金物も使ってみました。
かなりの数の刃が出ているので、ちょっとのことでは動かないような力強さを感じました。
自分は50と90の釘をペンチで曲げて鎹(かすがい)を作ってみました。
コの字の下の方を少し広げるようにして打ち込むと、2本の部材が引き寄せられるようについてきます。
鎹は今でも新築現場で構造金物として使われている金物です。シンプルな作りというのもあり、かなり古くから使われている金物だと思います。
構造計算的には弱い金物だと言われていますが、リフォームの現場をいくつも見てきた中で鎹という金物は強いという感覚を持っています。
どれが正解かなんて何年も経たないとわからないことですが、様々な手段があるということは大工としての強みにもなります。
うちの会社は100人も大工さんがいるんで、一つの問いにたくさんの答えが返ってきます。とてもありがたい環境です。
寒さのあまりパカッといってしまいました。
ここにもにも鎹を打ちたい(笑) 痛くないやつ。