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お久しぶりです。
福田昌平です。
いきなりですが
大工さんが持っているイメージがあると思いますが、
そう、指矩(サシガネ)・尺金の写真です。
私たち大工は、指矩(サシガネ)を用いて、長さや直角だけでなく、
規矩術と呼ばれる手法であらゆる角度や、木造建物の仕口・
部材の形状全般をこの曲がった定規で行っています。
この規矩術というのがとても優れものかつ、最初に頭から煙がでる大工の勉強なのですが、
簡単に説明すると、ピラミッドの角の角度を一発で出せる。といったところでしょうか?
(正確には、何度というのが出るのでなく、同じ角度を材料に書き写せるということです。)
図形が得意な方は、三平方の定理やルートなどで出せると思いますが、
大工は、現場で指矩(サシガネ)を使って出しちゃいます。
堂宮の軒先やら複雑な屋根、このさしがねがなければ、出来ません。
五重塔も建っていません。
(この話をすると、長くなりすぎるので・・・)
何が言いたいかというと、大工にとってとても大切な道具だということです。
そんな、サシガネが解体時、一本出てきました。
有名な話ですが、東大寺南大門の梁の上に置かれた墨壺のように、
大工さんの粋な忘れ物だと思いますよと、
しっかりとその当時の棟梁が見守っていたんだと思いますよと
お施主様にお伝えしたところ・・・
『じゃあ、福田さんも忘れていって下さい。』と・・・
先日その現場のお引渡を迎えました。
しかし、これからが本当のお付き合いだと思っています。
小屋裏に置かせて頂いた、さしがねのようにこの先も末永く、宜しくお願い致します。
I様、ありがとうございました。
引っ張ってしまいましたが、
昨日の続きです。
では、漆のどんな技法で、何を作ったかというと
『顔料を加えていない漆を木地に塗ってはふき取る作業を何度も繰り返し、木目を鮮やかに見せる手法。』
そうなんです。
吹き漆という技法で鍋敷きを作りました。
でもなんで、吹き漆で鍋敷き?といいますと、、、
「棚は棚でも・・・」 の時に、T様から鍋敷き(正確にはガス炊飯器敷き)のご依頼もあったからなのですが、
樹種は、余った端材がいいですと仰られるものだから、困りました。
なぜかといいますと・・・
丸い形をご希望されていたからです。
余った端材はメルクシパインといい、明るい色合いと木目で家具などによく使われるのですが、
集成材ですので、丸い形ですと木口(こぐち)と木端(こば)のバランスがあまりかっこよくなく、
さらに、明るい色合いですので鍋敷きにはそのままだと不向きな印象を持っていたからです。
そこで、旋盤で均等に溝をつけて、中心に穴を開けバランスを保ち、耐久性の高い吹き漆を行いました。
埃が経たないところで、丁寧に塗り、湿度管理された室(ムロと読みます)で乾燥させ、
また塗り、乾燥と三回繰り返したのが、こちらです。
すでに完成した写真しかないのですが、、、
(本当にビフォーとは比べられないぐらいよくなったのですが。。。比べて頂きたかったです)
自分で言うのもなんですが、バランスといい、深みのあるはっきりとした木目といい
ちょっと、かっこよくないですか?(笑)
裏はゴムでかさ上げし、指が入るようになっています。
そして、自分のサインも入れさせていただき、
お渡ししました。
すると、後日T様から・・・
『サイズもピッタリです。ありがとうございました。』
という、とてもうれしい文章とともに写真が・・・
私自身作ることはもちろん、楽しく好きですので、大工をやっているのですが、
やはり一番うれしいのは、
自分で作ったものが、しっかりと使って頂けていて、さらに役に立っていると思えた瞬間です。
T様。こちらこそ、いつもありがとうございます。
こんにちは。
10年経ってやっと、『一人前の一年生』といわれる大工の世界ですから、
日々勉強なのですが・・・先日もありました。デビュー戦です。
そう、漆との戦い!
とは言っても、蒔絵や沈金、螺鈿など高度な技法ではなく、
かぶれるか、かぶれないかの話ですが・・・(笑)
とはいいつつも、ひどいと全身がかぶれてしまうので、
昔の宮大工の家系では、子供が生まれたら
免疫をつくるために、ウルシの木の傍に連れていったというぐらいですから、大事なことです。
結果は・・・
大丈夫でした。
でも、少し経ってから出る場合もあるので、気を付けて下さい、
と教えてくれたのは、漆職人を経て、現在大工修行中の有賀大工です。
そしてさらに、驚いたことが、
この漆刷毛。
人毛でできているみたいです!?
なんで?
と聞いたら、髪の毛は意外と細く、刷毛目も立ちにくく、
鉛筆の芯のように先端から柄尻まで毛を入れ、
鉛筆を削るように刷毛を削りながら使いうため、長い毛が必要だから、人毛らしいです。
う~ん。
初めての漆の世界。 新鮮だ! 楽しすぎるぞ!!
でも、大丈夫か?
うまくいくのか?
続きは明日ッッ!!!ハハハ
こんにちは。
ご無沙汰しております・・・。
いや~、最近は本当に仕事が忙しくて・・・
と、久しぶりの更新に対する言い訳を、前置きとします(笑)
福田です。
今日は、直接ご依頼いただいた(とてもうれしいお話です!)
棚製作のお話を。。。
タイトルにある「棚は棚でも・・・」の続きは、
『出来上がっているお宅への、天井いっぱいの棚』になります。
もちろん、完全オーダーメイドの一点ものになるのですが、
なんだか長くて、意味が分かりづらいかもしれませんが、解説させて頂きます!
まず、
出来上がっているお宅→部屋の中での作業が困難。
天井いっぱい→寝かせた状態から起こすことが、できない。
設置する場所が決まっている→搬入経路の確保
等々、様々な検討項目があるわけですが、
このように、搬入経路の確保をするために、同じ縮尺で平面図の上を
動かしてみたり、
寝かせた状態から起こすことができないからといい、起こせる寸法で作り、
天井突っ張り棒支えるということをせずに、上下で2分割しておいたり、
(天井突っ張り棒で支えると、そこが埃だまりにもなりますし・・・)
と、まだまだ書くと細かすぎて伝わらないぐらいの工夫があります、
そういう創意工夫があり、仕上がりを見て頂くと、
初めから造りつけのように見える訳です。
それでこそ、大量生産品のカラーBOXにはできない棚になっています。
なんて、ちょっと偉ぶって書いてしまいましたが、
T様にお仕事を頂いて、卓ちゃん(小山大工)と作業に伺ったとき
小山のことをみて、『CMに出ている方ですよね?』だとか、
『大工ブログ、いつも見てますよ。内藤さんよく頑張ってますね!』ですとか、
応援していただける方々がいて、私たちは成り立っています。
T様、本当にありがとうございました。