こんにちは 大工工事部 平松です。
朝晩寒くなってきましたね。富士山にも雪がかかりました。
先日、何年ぶりか?に自分の両親が静岡に遊びに来ました。やはり九州の人からすると富士山が見れるかどうかが一番気になる所のようで、今回はきれいに見えたようで良かったです。
自分も何年も住んでいるのに、まだ富士山を見る時は「いいなぁ~」となります。
まだ登った事がないので、一度は登ってみたいなと思っています。
鎌倉の現場では基礎の工事が始まっています。
先日、仮住まいの下見ついでに寄らせてもらいました。
昨年末に来た時とはまるでちがう光景になっていました。
東側の山から撮っています。左側が本屋、右側に蔵という位置関係になります。
あれだけの重量の古材を支えるものですからね。鉄筋の量もすごかったです!
沼津の加工場では、仮組みの解体が予想以上に早く終わりました。
すっかり元に戻った加工場は大工さんも少なくなり、少し寂しくなりました。
僕は最後のダメ回り(また埋木レンジャーやってます)。
タッキーには唐澤さんから最後の刻みを託されました。
蔵の化粧母屋の継手です。
この時から比べると、見違えるような感じになったのではないでしょうか。
彼がほぼ全ての材に芯と水墨を出しきりました。
この卍がスムーズにいったのも、芯と水の精度が良かったからだと言っても過言ではないと思います。
来週にはいよいよ古材が現場へと搬出される予定です!!
こんにちは 大工工事部の平松です。
先日、仮組みを見学したいとの問合わせがあったみたいですが、ブログと現実とでは少し時間差が生じています。
申し訳ありませんがもう仮組みの方は解体まで完了しております。
反響を頂けてとても嬉しいです。そろそろ鎌倉編にも突入していきますんで (パソコンやれる環境があれば・・・) そちらの方でよろしくお願いします!
さて、今回は破風板の所を詳しくいきたいと思っています。
前にも少し載せたような気がしますが、今回破風板は「引きどっこ」という伝統技法で納めることになりました。
母屋の小口にはすべてこのような仕事をしてあります。
ここにこのような部材を入れて、蟻と車知で引っ張り合うということです。
最後に引きどっこの上を埋木すればもうズレることはないということになります。
釘や金物を使わない、昔から伝わる技法です。今回僕は初めて目の当たりにさせてもらいました。
一見面倒そうにも見えますが、やってみてかなり調子のよいやり方だと感じました。
拝み部分の棟木小口は杓子枘(しゃくしほぞ)という斜めの枘をつけています。
偶然杓子枘は6ヶ所とも僕の手で刻んでたので、破風の取り付け時は緊張してました。
実際は、枘に角度をつけるだけでこんなにしっかりとするのかというくらいに固定されていました。(ホッとしました・・・)
現場での納めやすさと安心感。伝えるべき技術だと思いました。やはり車知詮の引っ張り能力は半端じゃないです!
写真では分かりにくですが、拝みのところはわざと五厘ほど空かせています。瓦の重みで下がってきて、後々にくっつくという想定です。
わざと空かせておくというのはなかなか勇気のいる仕事の仕方だと思いますが、それも先人から伝わる一つの技術なんですね。
大工がハマるような箇所ではありましたが、難なく納まってしまいました。小川さんの引き出し多いな~、ありがたく頂きます!
快晴の日に最高の形でまとまりました。 最後に主となったメンバーで記念写真です!(自分はこ日幼稚園の運動会でした・・・残念!)
左から千秋さん、博康さん、瀧本、小川さん、渡邉さん、川口さん、久さん、です。あれ、唐澤さんもいない・・・
おまけ
会社の先輩達と一緒に仕事するという機会もなかなか無いので今回はそういった意味でもいい経験させてもらっています。
ここまでやればようやく一段落です。あとは丁寧にバラして、もうひと仕事(壁のシャクリ加工)して現場に持っていく準備です。
付け加えておきますが、破風板にはさらに「懸魚」(げぎょ)が取り付けられます。お寺とかによくあるアレですね。
今回は取り付けるばっかりまで段取りして、その後彫師の職人さんに渡すという流れのようです。
実際に取り付くのは最後の最後になるかと思います。
渡邉さんがこのあたりをまとめていってくれました。最後までかっこいい大工姿を見せつけてくれました!
長期に渡りベテラン大工さん達から多くの事を学びました。大工技術だけでなく、何気ない会話からも豊富な知識や経験を感じました。
得たことをまた次の世代に伝えていけるように・・・これからも頑張ります!
こんにちは 大工工事部の平松です。
スポーツの秋ですね。10月は2回も運動会がありました。見る側になって感じることは、こちら側もなかなかの労力なんだなと(笑)
地区の運動会では下の子の分の弁当はないってことで、2人で昼ご飯に行ってきました。
何でもいいって言うから、近くの牛丼屋に連れてったら、「これ超おいしいね!」って並をほとんど平らげてしまいました(笑)
何回説明しても「すきやん」になっちゃうのがかわいいなと思いながら・・・男の昼飯って感じでいい時間を過ごせました。
さて、仮組みの方は無事に終わりました!
気になる卍は、色々と考えながら全員集合で組んでいきました。
組んでから吊るか、現場で組むか。状況は現場で組む方向へといきました。
夢中になりすぎて誰も経過の写真を撮っていませんでした・・・
柱の根枘の分があるのでうまく柱をあおれないかと心配していましたが、柱を少し浮かせた状態にしておく事で解消できました。
この部分は複雑になっているので、その後の高さが合ってくるのかという心配もありました。
登り梁を入れた時に一発で無事納まってくれたのは、芯出し~刻みまでの精度の高さを感じずにはいられませんでした。
小川さんが「チョロいね~」と言ってました(笑) 先を走ってくれる先輩がいる事で、僕らも引っ張り上げてもらっております!
その後順調に小屋は進み、一気に棟までいきました。
いいところ撮ってくれました(笑)ロケット棟木が発射された瞬間ですね。
これでようやく全貌が明らかになりました。ここまで本当に長かった・・・感動しました。
これから破風の取り付けや垂木、高さや調整部分を確認してから、解体していきます。
そのへんはまた次回!
こんにちは 大工工事部の平松です。
最近はすっきりしない天気ばかりですね。晴れているというだけで気分も晴れます。
今日は午後から晴れたので近所の神社のお祭りに連れてってもらいました(家にいるとすぐ寝ちゃうんで、いつも子供と外へと誘われます)
あまり期待せずに行ったものの、餅まきなんかもあったりして大盛況でした。
餅をたくさん拾った事で、下がり気味だった娘からの株が上がった気がします!
仮組みの方は2階床の梁が入り、蔵の方も徐々に進んできました。
最初に渡邉さんが刻んでいた台持ちの梁です。下から見上げるとまた印象が違いますね。
改めて見ても、曲がりがきれいで格好の良い梁です。継ぐ位置も曲がりをうまく利用して梁をあまりいじめなくてすんでいます。
これは久さんが「虹さん」と呼んでいました。「虹梁」(こうりょう)の事だと思います。
千秋さんが絶妙な玉掛けをしてくれました。
刻んだのは結構前の事でしたが、無事に納まってくれてホッとしています。
組むのにも色々と苦労しましたが、無事に2階床の梁まで入って一段落という所です。
同時に渡り廊下で繋がる蔵の方も進めています。蔵といっても小さめの家くらいの大きさはあります。
蔵の方は一気に棟木まで上がりました!
苦労した所や思い入れのある箇所ほど、組まれていくと感慨深いものです。
ちなみに写真の梁は「像梁」と勝手に呼んでいます。初の車知継ぎをやらせてもらった所なんで、どうなるか気になっていました。
掛矢でいくら叩いてもよらなかった梁が車知栓を効かせると簡単に動きました。
車知というのはものすごい技術だと改めて感じました。この力は何かに応用できるような感じがしています。
卍の方も、あっという間に形になっていました!
交わる所の上には束がきて、その上にまた梁がきます。の上にも束がきて、また梁がきます(笑)
これを見て、率直に思ったことは人間ってすごいなという事です。
イメージして、墨をして、刻んで、組むとこんな事まで出来ちゃうんだなと。
大胆な仕事ように見えて、実は墨一本のズレも許さないような細かな仕事の積み重ねです。
3月からやっていた刻みも、ついに終わろうとしています。
最後の大仕事は皆さんの感覚が一番研ぎ澄まされた状態の時にできたのではないでしょうか。
すごくスムーズにまとまっていったように感じました。
次はこれがおさまった所を載せたいと思います。
楽しみだな~
こんにちは 大工工事部の平松です。
もう秋ですね。
昨年に続き、今年もサンマは不漁だというニュースを聞きました。
そんな中で近所の方から産直のサンマを頂き、大変ありがたくいただきました!
サンマにビール。CMみたいで幸せな時間でした。感謝!!
いよいよ建て方の開始です!
まずはマンモスから。さすがの存在感ですね。
これで1トン近くの重量になるらしいです。柱も欅という事で、ここだけで相当な重量です。
天気にあまり恵まれてはいませんが、少しずつ形が見えてきました。
やはり通常の新築工事のように次々にとは進んではいきません。
竿車知を組むところや、長枘がある場合は組む道中であたってしまう部分を鋸や鑿で取りながら進めていきます。
順番もすごく大事で、よく考えて組んでいかないと大変な事になってしまいます。
またバラす事も想定して、枘(ほぞ)や大入れの固そうな所に石鹸をつけておく戦法(謙治さんから教えてもらいました)は調子良さそうです!
さすが親分!現場もいい匂いになって、一石二鳥?な感じです(笑)
建て方部隊は仕事終わりに毎日ノートをつけていく事にしました。
毎日多くの注意点があるので、またやるのに全部覚えておくのは困難だという話になりました。(特に自分は怪しいです)
建て方はチームワークも重要だなと再認識しました!
同時に昔の人はレッカーも足場もないのにどうやって建てたり運んだりしたのだろうか、と改めて古き日本の木造建築のすごさを実感しています。
建て方に夢中になっていると、加工場の中では気になる卍の刻みもスタートしていました。
組む時の梁の動きをイメージして、マクリを斜めにしてあるそうです。表面からマクリの深さを1ミリ単位で墨がしてあります。(今だに僕にはできる気がしません)
墨つけ技術や精度も相当ハイレベルなものだと思います。休み無くやっていた小川さんもこれでようやく墨付けから解放されたようです。
本当に長い間お疲れ様でした!!
これからどんどん形が見えていきます。あっちもこっちも目が離せません!