• January
    18
    2014

    窓のはなし

    こんにちは!(一応まだ)新人大工の内藤です。

     

    12月後半から静岡に長期出張となってからもうじきひと月。

    色々と新しい生活環境にも少しずつ慣れつつ、それなりに楽しく過ごしています。

     

    最近の現場での仕事を少しご紹介しますと、年明けに、窓の下地をいくつか組ませていただいたりしました。

    下の写真のように、柱と柱の間に「窓台」「まぐさ」と呼ばれる水平の下地と、それを梁や土台とつなぐ縦の下地を組み、

     

    窓以外の壁となるところに合板を張って、さらにこのあとサッシを入れることによって、日頃よく目にする窓の形ができていきます。

    このとき、窓台がしっかり水平に組めていないとサッシが真っ直ぐ入らなかったり、といったこともあるため、下地といえどもなかなか精度が求められる仕事だったりします。

     

     

    さて、窓といえば、実は僕は大学院で「日本の建具の歴史」を主に研究していたのですが…

    数ある窓の形式のうち、日本の住宅では必ずと言っていいほど使われるのに、外国ではあまり使われないものがあるのを皆さんはご存知でしょうか?

     

     

    それがこちらの「引違い」といわれる、二枚の戸を横にスライドさせる形式の窓です。(写真は現在の僕の居室のものです)

    中には「えぇっ、そんなバカな!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実際に海外の住宅や街並みの写真などを注意深く見てみると、この形式の窓がほとんど見当たらないことに気が付くと思います。(もし見つけても目をつぶっていただけると幸いです)

     

    では何故、日本の住宅の窓と海外の住宅の窓とで大きく形式が異なるのかというと…

     

    日本の住宅は古くから木材による柱梁構造が主流だったため開口部も比較的大きくすることができ、それを間仕切るための「引き戸」の文化が大きく発達しました。

    一方で、西洋では石やレンガを積み上げる組積造が主流だったので、開口部も必然的に狭く縦長のものとなって、「開き戸」や「上げ下げ窓」といった建具が多く用いられたわけです。

     

     なので、かの有名な建築家であるル・コルビュジェが「近代建築の五原則」として「水平連続窓」や「ピロティ」を挙げたりしているのも、

    西洋人にとっては「おお、なんて斬新なんだ!」と思う内容であっても、日本人にとっては「いや、昔から似たようなことやってるけど…」みたいな感じだったりします。(笑)

     

     

    このように、これだけ工業化やグローバル化が進んだ現代でも、住宅の窓の形式ひとつにその国の文化が表れるというのは、なかなか面白いものではないでしょうか。

     

    …仕事の話からだいぶ逸れてしまって恐縮ですが(笑)、こんな風に、「知ってると役立つ(かも知れない)豆知識」的なものをたまにお届けできたらと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします!

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  • December
    26
    2013

    建て方、時々雨、一時雪、のちコンポタ

    お久しぶりです、水曜日の原田です!

     

     

    先日、久々に住宅の建て方に行ってきました!

     

     

     

     

    人数も多いせいか作業がどんどん進んで行きます。

     

     

     

    残念なことにこの日は雨降りで、さらに午後には雪まで降る始末…

     

     

     

    皆、二言目には『さ、さむい・・・』と。。。

     

     

     

    しかしそんな中でも建て方はどんどん進んで行きます!

     

     

     

    建て方中、現場から大工の威勢のいい声が何やら聞こえてきます。

     

     

    『【い】の【さーん】』、『【は】の【いちー】』、『【ほ】通りの【さん、から、ななー】』

     

     

    さてさて皆何をそんな大声で叫んでいるんでしょうか?

     

     

    これは材料の位置を大声で叫んでいるんですね!

     

     

    建物を上から見下ろしたときに横方向を【い、ろ、は、に、ほ、へ、と・・・・・・】

     

     

     

    縦方向を【一、二、三、四、五、六・・・・・・】と言う風に番付しています。

     

     

     

     

     

     

    大工はそれを基に柱、梁を収めていきます。

     

     

     

     

     

     

    この声を聞くと『建て方やっているな~』と実感します。

     

     

     

    そして冬の建て方、一服休憩中にうれしい納品がありました。

     

     

     

    なんでも身も心も芯から温めてくれる新素材が現場に届いた模様・・・

     

     

     

    それがこちら

     

     

     

     

     

    みんな大好きコーンポタージュ!!!

     

     

     

    現場監督立会いの下、しっかりと受け入れを確認しおいしく頂きました(笑)

     

     

     

    寒いですが、これでまだまだ頑張れそうです!

     

     

     

    皆さんも芯から温まって寒い季節を乗り切りましょう!!!

     

     

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    Profile | 大工


    原田 宗広(はらだ むねひろ)

    一級建築大工技能士|二級建築士

  • December
    19
    2013

    枠の加工

    今年もあと少しですね。

    高橋です!!

     

    今日は、現場で使用している枠の加工について紹介したいと思います。

    名前で言えば 「八掛け枠」。

    形は

    こんな形です。

     

    なぜこのような加工をするかというと、

    「見付け」

    仕上がったときに見える部分を少しでも薄く見せたいためなんです!!

     

    加工の手順としては、

    まず見付けの部分を残して切込みを入れます。

    そこを目指して45度に切り落とします。

    この後面を取れば、片側完成です。

     

     

    これを両側施工し、取り付けます。

    画像は笠木ですが、この現場の枠は全てこの加工がされています。

     

    斜めじゃなくて、直角でもいいのでは??と思われるかもしれませんが、

    直角だと薄い部分が多く、枠の強度も落ちますし、仕上がった塗り壁や、クロスの割れる原因になりやすいんです。

     

    ちなみに、壁の入り隅には

    こんな形の見切りが使われているんです!!

     

    これはまた次回紹介します!!

    枠ひとつをとっても、さまざまな工夫がなされているんです。

     

    本当にこの現場は見所満載です!!

     

    もうすぐ完成なのでラストスパートがんばります!!

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  • December
    18
    2013

    見えない気遣い

    今年もあと2週間を切ってしまいました。

     

    雪が降りそうなくらい寒い日があったり、風がすごく強かったり、

     

    先日登場させたドカジャンが大活躍です。

     

    こんにちは、大工の宮下です。

     

    現在木工事真っ只中のH様邸、実は無垢の板がたくさん使われているんです。

     

    先日紹介した、土庇の軒天には、杉の白味。

     

     

    床板には、カバザクラ。

     

    バルコニー上の軒天には、レッドシダー。

     

    まだ、貼られていませんが、腰板には杉の赤味を使います。

     

    4種類もの無垢の板が使われているのです。

     

    無垢の板は、自然の温かみがあっていいですよね~。

     

    でも、この無垢板を貼る大工は、頭を悩ませながら貼っているんです。

     

    違和感なくバランスよく貼るにはどうすればいいのか???と悩んでいるんです。

     

    同じ材種でも、一枚一枚微妙に違う表情を持っているので、

     

    考えずに貼ってしまうと、色味や木目に偏りがあったり、一枚だけやけに目立ってしまったり。。。

     

    そうならない様に、一度仮に並べてバランスを調整しながら、貼っているんです。

     

    レッドシダーの仮並べ杉の白味の仮並べ

     

     

    大分、手間と時間を要しますが、、、

     

    それをやるかやらないかで、仕上がりに影響がでてしまうんです。

     

    仕上がってしまえば、全く感じることのできない事ですが、

     

    無垢の板には、大工の見えない気遣いが詰まっているんですね。。。

     

    H様邸の無垢板は、現在、僕と英水くんが、悩みに悩んで貼っています(笑)

     

    その分、かなりキレイに仕上がっていますよ~yes

     

    H様、完成を楽しみにしていてくださいねlaugh

     

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    Profile | 大工・現場監督


    宮下 貴之(みやした たかゆき)

    一級建築大工技能士

  • December
    05
    2013

    富士山

    もう12月ですね。

     

    寒いですね!!

    この間、スノータウンイエティに向かう途中に

    これ

    雪のしっかり積もった世界遺産富士山です!!

     

    あらためてみると、やっぱりすごいですね!!

     

    僕たちはこんなすばらしい富士山に見守られながら毎日仕事をしているんです!!

    やる気が沸いてきますね。

     

     

    ちなみに現場では、ボード貼りが始まり、最終段階に入ってきています。

    最近忙しく現場写真があまり撮れていませんが、二個目の和室も着々と形になってきています。

     

    いろいろな納まりがあって、難しいですが、完成が楽しみです!!

     

    次のブログでは、形になった現場を紹介できると思うので、楽しみにしていてください!

     

     

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大工の日々―平成建設職人集団
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